「国際平和デー」(9月11日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 01/70-J 2001年09月11日
「国際平和デー」は、私たちが知っている世界とは大きく異なる世界を思い描こうとする日です。
私たちは、戦う人々が武器を捨て、その相違を話合いで解決しようとする姿を思い浮かべようとします。
私たちは、すべての政府が人々の意思に耳を傾け、これに基づいて行動することを思い浮かべようとします。
私たちは、憎しみが尊敬に変わり、かたくなな姿勢が理解へと変わり、無知が知識へと変わることを想像しようとします。
そして私たちは、紛争のまさに根本的な原因(貧困、社会的疎外および飽くなき欲望)が発展と正義に道を譲ることを思い浮かべようとします。
なぜなら、誰かがまずビジョンや夢を持たない限り、私たちの世界で進歩は起こりえないからです。
国際平和デーはこのような夢とともに始まりました。この日は20年前、コスタリカの発案により、国連総会によって制定されたものです。
今年、コスタリカと英国の発案により、総会はこれを一歩進めることを決定しました。国際平和デーをグローバルな停戦と非暴力の日とすべきことが宣言されたのです。
この一歩は単に象徴的な意味に止まりません。これが守られれば、実際的な効果が生まれるでしょう。停戦が守られれば、医療・開発機関は一般市民の犠牲者に対し、安全にサービスを提供することができます。また、戦闘が一日休止しただけでも、紛争を終結させるための作業に何らかの地歩が築かれるのです。
今年の国際平和デーに際し、思い切って紛争と暴力のない世界を思い描いてみようではありませんか。そして、この機会を捉え、毎日が平和な日になるまで、一日ごと、一年ごとに、平和の足固めを図ってゆこうではありませんか。