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「世界保健デー」(4月7日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ

プレスリリース 01/31-J 2001年04月04日

 精神障害は、しばしば衰弱していく身体的徴候をさらけ出すことなく、人間の心の奥深いところをむしばんでいます。このため、このような障害に苦しむ人々の多くは、極めて治療可能なことが多い自分たちの病を恥あるいは汚辱と感じ、ひとり悩んでいます。

 この問題にグローバルな関心を向けるため、世界保健機関(WHO)は今年の「世界保健デー」に当たり、精神保健に関連する医学的研究、治療政策および倫理的諸問題に取り組むことにしました。「疎外でなく、治療の勇気を」というこの日のスローガンは、国際社会が精神保健上の懸念にオープンかつ率直に取り組む必要性をよく表しています。これは、とても急を要する懸念となっています。

 今日、4億という人々が精神と脳の障害で苦しんでいます。精神分裂病、飲酒および双極性障害、強迫性障害は世界において障害度の最も高い病気とされています。しかも、この数字は特に開発途上国の人々のあいだで、今後2030年間に急増するものと予想されています。

 しかし、精神保健の問題は大きな社会的・経済的負担となっているにもかかわらず、世界の国々の40%以上は明確な精神保健政策を何ら持たないばかりか、精神保健プログラムのない国々も30%を超えています。このような精神保健上の危機に取り組むためには、予防と治療の両面を組み込んだグローバルな戦略が必要です。この問題は5月の世界保健総会年次会合において、WHOの加盟国191ヶ国が取り上げ、10月に発表される世界保健報告書のなかで評価される予定です。しかし、今後私たちにできることはまだ他にもあります。

 各国政府が精神保健のニーズを充足するために資金を割り当て、公共政策を確立すべき時が来ています。私たち一人ひとりにとっても、自分自身の恐怖に直面し、精神障害に対する誤解を克服すべき時が来ているのです。率直さと理解を通じて、私たちは精神障害を取り巻く社会的汚辱という壁を突き破ることができます。今年の「世界保健デー」に当たり、これらの任務に取り組むことを約束し、精神障害に苦しむ人々がひとりで悩むことがないようにしようではありませんか。