国際人種差別撤廃デー(3月21日)事務総長メッセージ
プレスリリース 15-030-J 2015年03月21日
「過去の悲劇に学び、現在の人種主義に対処を」
あらゆる年齢の人々が日々、その皮膚の色や家系、国または民族的出身その他の人種的とみなされる特徴を理由に、憎悪や不正、恥辱を耐え忍んでいます。このような差別は抑圧、貧困、奴隷制、ジェノサイドや戦争の原因にもなってきました。
「国際人種差別撤廃デー」は、排外主義や偏見のない正義と平等の世界を構築するという、私たちの約束を新たにする機会です。私たちは歴史の教訓に学び、人種差別がもたらした甚大な被害を認識しなければなりません。それはすなわち、私たちが自らの知識を用いて、偏見を根絶し、あらゆる場所ですべての人に寛容と差別禁止、多様性の尊重を教えられるよう、歴史上の過ちを注意深く記憶にとどめることを意味します。
今年は「あらゆる形態の人種差別撤廃に関する国際条約」採択50周年にあたると同時に、「アフリカ系の人々のための国際の10年」の始まりの年でもあります。これまでの50年間で、人種主義や人種差別との闘いは前進を遂げました。私たちは植民地主義の終焉、アパルトヘイトの崩壊、平等を求めるグローバルな運動の興隆を目の当たりにしました。しかし、あらゆる地域の人々とコミュニティにとって、人種差別が依然として明らかな脅威となっていることは、歴史と最近の出来事がともに示すとおりです。
恒久的平和は、民族やジェンダー、宗教、社会的地位その他にかかわらず、すべての人々が同じ権利と尊厳を有するという前提に立って初めて実現できます。私はそのために、すべての国に対し、「あらゆる形態の人種差別撤廃に関する国際条約」を批准し、歴史的正確性を高めるとともに、条約に謳われているとおり、あらゆる形態の差別を終わらせる厳格な政策と法律を導入するよう強く促します。
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