人権デー(12月10日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 00/112-J 2000年12月05日
5年前の1995年、「国連人権教育の10年」がスタートしました。政府、国際機関、公共・民間団体、職業団体、学校・大学、そして一般の人々を含め、あらゆる人々に対して、人権の知識と理解の向上のために協力することを促すというのが、その考えでした。
その十年の半分が経過した今も、当初の目標を達成するには、さらに長い道のりが残されています。実際、人権教育のために効果的な国内戦略を打ち出したのは、ほんの一握りの国に過ぎません。人権教育の10年に向けてなされた約束と、実際に動員された資源の間には、大きな隔たりがあります。
それでも、非政府組織(NGO)は大きな役割を果たしています。政府がNGOと協力を密にし、彼らから学ぶ必要があることは明らかです。
人権教育がこれほど重要なのはなぜでしょうか。それは、ユネスコ憲章に謳われているとおり、「戦争が人間の心の中から始まるのなら、平和の要塞も人間の心の中から築き上げなければならない」からです。
人々が自らの権利をよりよく知り、そして、他者の権利をより尊重するようになれば、平和に共存できる可能性も高まります。人権を学ぶことではじめて、私たちは人権の侵害を防止し、これによって紛争をも防ぐことができるのです。