「国際家族デー」(5月15日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
プレスリリース 00/48 2000年05月17日
家族というものについて、単一的な見方あるいは普遍的な統一見解は存在しません。家族はあまりにも多様であり、かつ絶えず変化しているものなので、分類したり、厳密に定義したりすることは到底できません。しかしながら、いかなる文化においても、家族は個人、とりわけ子どもの発達に欠かすことのできない情操、経済および物質的な育成や支援を享受できる自然の枠組みを提供するものです。
5月15日の「国際家族デー」は、従来通り家族という社会的な結合と共存の基本単位に焦点を当てています。本年度のテーマ「家族:開発と社会的発展の主体であり受益者」は、社会における家族の重大な役割を強調したものとなっています。家族の構成メンバーならびに社会全般の幸福のためには、家族の構造が強固であることが望ましいのです。子どもたちが、その後の人生において彼らを導いてくれる肯定的な価値観を学ぶことのできる場所は家庭であり、人々が平等、寛容、責任の共有について重要な教訓を得ることができる場所もまた、家庭なのです。
家族は開発の原動力であると同時に、その受益者でもあります。開発が遅い、あるいはそれが欠けていれば、家族がその構成員の欲求を満たそうとしても不可能でしょう。闘争によって開発が妨げられ、不安定な状況が生じているところでは、家族もまた損なわれ、その社会からは、平和と繁栄に不可欠な要素が奪われることとなります。
家族とは、人類の価値と発展を守る真の砦となり得るものです。家族がその可能性を十分に発揮するために必要な条件を提供できるよう、最大限の努力をしようではありませんか。