「国連デー」(10月24日)に寄せて
プレスリリース 99/187 1999年10月20日
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
今年の国連デーは特別な日です。世界の人口はちょうど60億人を超え、さらに、私たちは新たなミレニアム(千年紀)を迎えようとしているからです。
ある意味で、この2つの事柄は単なる数字に過ぎません。しかし、その両方とも私たちにとって、祝うべき事柄であると同時に、考えるべき事柄でもあります。これらはともに、人間の歴史において新たな1章の幕開けを飾るものです。この1章では、私たちは皆、これまで以上に、同じ運命を共有することになるのです。今は総括の時です。私たちが達成したことと失敗したことを振り返り、その上で将来を見据え、新しい時代をどうすればこれまでの時代より良いものにできるかを考えなければなりません。
私たちの半分(60億人のうち30億人)が、1日3ドル以下で生活を強いられる極貧状態で新たな時代を迎えようとしていることは、考えるだけでもショッキングなことです。私たちはこの事態を何としても変えなければなりません。また、今日では、人々が非常に多くの場所で、暴力と残虐行為にさらされていることも、ショッキングな事実です。20世紀は人類の歴史上、もっとも血塗られた世紀となりました。私たちは21世紀をより平和で、より人間的なものとしなければなりません。
さらに懸念すべきは、世界の気候が数百万人の家と生計を破壊しかねないような変動を遂げていると見られることです。このプロセスを統制し、管理することは何よりも大きな挑戦となる可能性があります。
それが飢餓であれ、病気であれ、暴力であれ、さらには自然災害であれ、国や地域が単独で対処するにはあまりにも大きな課題が生じた場合、世界中の人々は国連に保護を求めます。しかし、私たち国連もまた、単独では何もできないのです。私たち国連の力は、共通の利益のために行動を共にすることを合意した時に発揮される、加盟国の力なのです。
来年、ミレニアム(千年紀)サミットのために全世界の指導者がニューヨークに集います。そこでは、今後の課題やそれに対処する上で国連として何ができるかが検討されます。これらの指導者は皆様、すなわち国連加盟国の国民の皆様を代表することになります。指導者たちが私たちすべて、さらには私たちの子供たちにとって、より良い生活をもたらすことのできる決定を行うという決意を固めて、そこに会することを確実にするのは、皆様の役割なのです。私は、皆様すべてを頼りにし、そして皆様すべてに感謝いたします。