「世界禁煙デー」(5月31日)に寄せて
1999年05月24日
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ
現在、世界の成人人口の3分の1が喫煙者です。喫煙の有害な影響は十分に文書化されているにも関わらず、まだそのことを知らない人が多く、また知りながら禁煙の意志がない、または禁煙できない人も数多くいます。
たばこ製品の影響によって、毎年400万人という驚異的な数の人々が死亡しています。この数は、21世紀の前半には毎年1,000万人にまで増えると予測されています。この傾向が続けば、2億5,000万人の子どもがたばこに関係する疾病によってその寿命を短くすることになるでしょう。
たばこは、単なる公衆衛生上の問題にとどまりません。地球全体の発展に関わる問題なのです。たばこの害がよく知れ渡っていない開発途上国の多くでは、喫煙によって、ヘルスケアのための財源に耐え難いほどの負担がかかっています。あまりにも多くの人々の早死と共に、その影響は圧倒的なものとなっています。
私達は、喫煙を減らすためにより多くのことができるし、また、そうしなければなりません。これについては、たばこ製品へのアクセスを縮小するための法制度確立、並びに青少年が喫煙を始めるのを阻止し、喫煙中毒者が禁煙するのを助ける教育の双方を通じて、行なうべきです。
私達にとって良い知らせは、いつ喫煙をやめても遅すぎることはない、ということです。たばこを超えたところに、より良い生活があると発見するのに、遅すぎるということはないのです。今日の世界禁煙デーに当たって、私は、「たばこに、サヨナラ」という世界中の喫煙者に対する呼びかけの輪に、そしてまた喫煙者がより良い生活を発見する強さと意志を持つであろうという希望の輪に加わりたいと思います。