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世界食料デー(10月16日)事務総長メッセージ

プレスリリース 15-094-J 2015年10月16日

今年の「世界食料デー」に先立ち、世界のリーダーは「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の採択という、画期的な成果をなし遂げました。このアジェンダには、健全な地球ですべての人々が尊厳と豊かさを享有できる未来の実現に向け、私たちの活動の指針となる17の目標が含まれています。

私たちが食べる食料をどのように育て、加工し、配給し、消費するかによって、人々や地球、豊かさ、そして平和に大きな影響が及びます。飢餓と栄養不良の解消に向けた急速な進歩がない限り、2030アジェンダに掲げられた目標は達成できません。同様に、この新たなアジェンダ全体で大きな前進がない限り、すべての人々の飢餓を完全に終わらせるという約束も果たすことはできません。

持続可能な目標2は「飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」ことを私たちに求めています。世界はこの点で大きな進歩を遂げており、栄養不良の人々の数は2000年以来、ほぼ半減しています。その一方、食料全体のほぼ3分の1が失われあるいは浪費されている世界の中で、あらゆる人に行き渡るだけの食料を生産しながら、8億人近くが依然として飢餓に苦しんでいるのも事実です。貧困脱出に向けた歩みは、あまりにも多くの人々にとって、あまりにも遅いものにとどまっています。

2015年「世界食料デー」のテーマ「社会保障と農業:農村部貧困の悪循環を断とう」は、社会的弱者がリスク管理を改善し、安定した生計を立てられるようにするうえで、手当の支給や保険、年金その他の社会保障プログラムが果たす不可欠な役割を取り上げています。

私が2012年に発足させた「飢餓ゼロへの挑戦(Zero Hunger Challenge)」は、各国のリーダーが幅広いマルチステークホルダー・パートナーシップと連携する必要性を強調しています。貧困に終止符を打つことはあらゆる人の責任です。農家や科学者、国際機関、活動家、企業、そして消費者のすべてに果たすべき役割があります。包摂的でレジリエント、かつ持続可能な食料システムを構築するためには、私たちが女性農民のエンパワーメントを図り、若者に機会を提供するとともに、零細農家に投資することも必要です。

飢餓は単なる食料不足ではありません。それは著しい不正です。「世界食料デー」にあたり、私たちが生きている間に飢餓に終止符を打てるよう、ともに努力する決意を新たにしようではありませんか。

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