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東日本大震災五周年追悼式に寄せる事務総長メッセージ(ニューヨーク、2016年3月11日)

プレスリリース 16-024-J 2016年03月11日

この追悼の日を迎えるに際し、日本の皆様、とりわけ、東日本大震災とそれに伴う津波によって大切な人々を亡くした方々に対し、国連を代表して、今一度、謹んで哀悼の意を捧げたく存じます。

未曾有の被害をもたらした東日本大震災によって、リスクと災害への曝露の性質が大きく変化しつつあることを、私たちは教えられました。福島での災害のあと、私たちは新しい時代を迎えていることが明らかになりました。そのような時代においては、テクノロジーと自然災害が組み合わさり、従来では思いもよらなかった規模での危険を作りだす可能性があります。私たちのテクノロジーに頼った生活は、自然ハザードに対する曝露の軽減に注意を払わなければ、諸刃の剣のようなものです。

この震災の教訓が、1年前に開催された第3回国連防災世界会議で採択された仙台防災枠組を策定する上で貢献しました。仙台防災枠組における災害リスク管理の対象は、自然ハザードおよび人為的なハザード、そして関連する環境的、技術的、生物的ハザードをも含めた形にまで拡がりました。

日本は、立ち止まって震災を振り返り、過去の災害の教訓を忘れずに検証し、またリスクを予防し軽減することの重要性に対する啓発を行うことの大切さを世界に示しています。

今年、重要な国際デーがもう一つ新たに加わります。毎年11月5日は「世界津波啓発デー」となります。この11月5日という日は、1854年に広村(現在の和歌山県広川町)で発生した津波に因んで決められたものです。その際には、地震後の津波の予兆に気づき、所有する稲むらに火を放ち、津波への警戒を近隣に知らせた村人がいました。

日本の文化では、全体の益のために行動するということは日ごろからテーマとされており、それが国の災害への備えや防災・減災の取り組みにも浸透しています。人々の命と暮らしを守り、災害による損失を減らしていくために、世界が日本から学べることは数多くあります。

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