世界人口デー(7月11日)事務総長メッセージ
プレスリリース 15-058-J 2016年07月11日
国際社会は、公平性と人権という原則に根差す新たな持続可能な開発アジェンダの実現を約束しています。「持続可能な開発目標」(SDGs)は、誰も置き去りにしないことを中心的な目的のひとつに据えています。
貧困を削減し、全世界の多くの人々の機会と福祉を改善するという点では、大きな前進が見られているものの、依然として数億人が、より良い未来を拓くチャンスを懸命に模索し続けています。これまで開発への取り組みによる恩恵が最も及びにくかった人々の中には女児、特に成長期にある十代の少女が含まれています。
あまりにも多くの女児は、学校で将来の可能性について思いを巡らすべき時期に、社会的、文化的な罠によってその夢を実現する道を閉ざされてしまいます。思春期になると、男児の選択肢や機会は拡大する傾向にあるのに対し、女児のそれは縮小してしまうことがあまりにも多くなっています。全世界で起きる性的暴行事件の約半数では、15歳以下の女児が被害者となっています。開発途上国では、女児の3人に1人が18歳未満で結婚します。また、十代の女児は十代の男児に比べ、中等教育を受けたり、これを修了したりする可能性が低くなっています。
「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を成功へと導くためには、こうした不平等の是正が欠かせません。ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図るという具体的目標がアジェンダに盛り込まれているのも、そのためです。今年の「世界人口デー」にあたり、私はすべての政府、企業、そして市民社会に対し、十代の女児を支援し、これに投資するよう強く訴えます。経済成長と社会の前進の恩恵を受ける権利は、誰にでもあります。すべての人に安全、尊厳、機会のある暮らしを確保するため、力を合わせていこうではありませんか。
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国連人口基金(UNFPA)事務局長のメッセージはこちらからご覧いただけます。