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平和記念式典に寄せる事務総長メッセージ(広島、2016年8月6日)

プレスリリース 16-068-J 2016年08月06日

Photo: UNODA

キム・ウォンス軍縮担当上級代表が代読

この厳粛なる平和記念式典に御参列の皆様に、謹んで御挨拶申し上げます。皆様が、戦争における初の核兵器使用により犠牲となられた広島の方々を追悼するためお集まりいただいていることに、心から敬意を表します。

私自身、2010年に広島を訪問し、平和記念式典に参列したことを決して忘れることはありません。私は、あのような悲劇を二度と繰り返させないという皆様の決意に感銘を受け、心を打たれました。この訪問により、核兵器のない世界の実現に向けた国連の取組をさらに進めていこうという決意を固くいたしました。

広島で目にしたのは、あの悲劇を追悼する都市というだけでなく、回復力と希望に満ちた都市の姿でした。市民の皆様は、破壊された都市の市民ではなく、平和な世界の実現を願う市民として認知されるよう、懸命に努力していらっしゃいます。

その精神を体現していらっしゃるのが被爆者の方々です。被爆者の方々は自身の悲劇的な体験を人類に対する呼び掛けへと発展させました。そして、ヒロシマが身をもって経験した惨事が忘れられることのないよう、自身の体験を語り、平和とより良い世界の真の擁護者となったのです。

今、世界はかつてないほどに被爆者の精神を必要としています。世界の緊張感は高まっています。核軍縮における進展は見出し難くなっています。

この荘厳なる式典で、すべての国々が被爆者のメッセージに耳を傾け、互いの違いを乗り越え、核軍縮に向けた世界の志を強固なものとするよう求めます。

これは、平和的な協力にとって不可欠なことです。核保有国は、ヒロシマの悲劇を繰り返さないという特別な責務を負っています。核保有国は、自国のコミットメントを守り、対話への道を拓いていかなければなりません。また、すべての国々に対しては、包括的な対話を通じ、共通点を見出すよう求めます。

広島への原爆投下により、核兵器は、性別、年齢、宗教、思想、国籍に関係なく、無差別なものだということが示されました。

すべての人々にとって、より安全で平和な未来、より良い世界のため、これからも力を合わせ取り組んでいきましょう。

私も、「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ 二度と再び」という広島のメッセージを今後も広め続けていく所存です。

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