国際女性の日(3月8日)事務総長メッセージ
プレスリリース 11/014-J 2011年03月08日
国際女性の日(3月8日)に寄せる
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ
世界が初めて「国際女性の日」を迎えた100年前、ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントはかなり革新的な考えでした。それから100年後の今、私たちは大きな前進を祝っています。それは決然とした周知、実践、そして見識ある政策立案によって成し遂げられたのです。とはいえ、今でも女性はあまりにも多くの国々や社会で、二流市民の地位に置かれています。
教育でのジェンダー格差が縮まっているとはいえ、国によって状況には大きな隔たりがあります。学校に通えなかったり、中退したり、専門性をほとんど持たずに卒業し、機会を得られなかったりする女児が、あまりに多いのです。女性と女児はまた、しばしば親しいパートナーや親類の手によって、許しがたい差別や暴力を受け続けています。家庭でも学校でも、職場でもコミュニティでも、女性であることによって弱い立場に陥っています。そして多くの紛争地帯では、性暴力が女性やコミュニティ全体を威嚇する手段として、意図的かつ組織的に使われています。
私は「UNiTE to End Violence Against Women(団結しよう、女性への暴力を終わらせるために)」というキャンペーンと「男性指導者ネットワーク」を発足させました。不処罰に終止符を打ち、考え方を変えるのがこれらの活動のねらいです。また、紛争での性的攻撃を処罰、防止し、女性と平和、安全に関する画期的な安全保障理事会決議1325の履行にさらに努めようとする国際的な決意も高まっています。この決議は、平和構築と平和維持の全ての側面に女性を関与させることの重要性を謳ったものです。
もう一つ、大きな前進が早急に必要な分野として、女性と子どもの健康があげられます。2010年9月のミレニアム開発目標サミットでは、この問題の中心的な重要性が認識されました。加盟国と慈善事業関係者は、今後4年間で女性と子どもの命を救い、健康状態を改善するという私のグローバル戦略に対して強い支持を約束してくれました。
意思決定の領域では、より多くの女性がより多くの国々で、国会議員として議席を占めるようになっています。それでも、女性が国家元首または政府首脳となっている国は10%にも及びません。女性の政界進出が目立っている国でも、ビジネスや産業の最高レベルでは、女性の存在感が極めて薄いことも多くなっています。国連が最近になって導入した「女性のエンパワーメントの原則」は、こうした不均衡の是正をねらいとしており、現在までに130社を超える大企業がこれを支持しています。
今年の「国際女性の日」のテーマは、教育、訓練および科学技術へのアクセス平等となっています。例えば、携帯電話やインターネットが使えれば、女性は家族の健康と福祉を向上させ、収入を得る機会を活用し、搾取されたり、弱い立場にならないように身を守ることができます。このようなツールへのアクセスを、教育や訓練を通じて手に入れることができれば、女性は貧困の悪循環を断ち、不正と闘い、自らの権利を行使することが容易になります。
今年、ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントを担当する国連主体としてUN Womenが発足しました。このことは課題の克服に努めていく私たちの意志を示しています。公私あらゆる分野での女性の全面的かつ平等な参加があって初めて、国連憲章で約束された平和で公正な社会を達成することができるのです。
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