世界自閉症啓発デー(4月2日)事務総長メッセージ
プレスリリース 11/022-J 2011年03月31日
世界自閉症啓発デー(4月2日)に寄せる
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ
自閉症状を示す子どもと大人の数は、あらゆる国、そしてあらゆる人種、民族、社会集団で増え続けています。学術、保健、介護関係者の間での自閉症に対する認識は深まってきたものの、一般社会の認識はまだ不十分です。こうしたことから、年に一度の「世界自閉症啓発デー」は、行動と支援を結集するための機会として、ますます重要になっています。
自閉的な症状を持つ子どもと大人は、支援を受けられないだけでなく、偏見や差別に関連する大きな試練にも直面しています。多くの人が日常生活において幾重もの障壁にぶつかっています。基本的人権を踏みにじられ、恐ろしい差別や虐待、孤立に苦しむ人々があまりにも多すぎます。
自閉症は複雑な障害です。しかし多くの場合、早期に適切な治療を施せば、症状を改善することが可能です。それだけに、自閉症の兆候に対する認識を深め、できるだけ早くサービスを提供することが、きわめて重要といえます。
また、親を支援し、自閉症の人々の能力と長所を生かせる雇用を生み出し、自閉症の学生のニーズをよりよく充足するために公教育を改善することもきわめて重要です。
このような措置を講じれば、自閉症の人々やその家族、さらには他者をも豊かにすることで、社会全体に恩恵が及ぶことでしょう。自閉症の子どもを持つある母親は「私の娘は長い道のりを歩いてきましたが、私はそれより長い道のりを歩いてきた」と語っています。
私たちもより優しく、インクルーシブ(包括的)な世界を目指して、この同じ道を歩いていこうではありませんか。
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「世界自閉症啓発デー」ウェブサイト(英文)はこちら