ホロコースト犠牲者を想起する国際デー(1月27日)事務総長メッセージ
プレスリリース 12-005-J 2012年01月27日
ホロコーストでは、ユダヤ人の子ども150万人がナチスとその支持者による迫害を受け、命を失いました。
ユダヤ人以外にも、数万人の子どもたちが殺されました。その中には障害者やシンティ・ロマ人もいました。
彼ら全員が、「劣等」というレッテルを貼る憎悪に満ちたイデオロギーの犠牲となったのです。
今年の「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」は、こうした子どもたち、すなわち恐怖と悪の極みに直面した少女、少年たちに捧げられます。
戦争孤児になったり、家族から引き離されたりした子どもたちも多くいました。
多くは飢餓や病気、あるいは虐待者の手によって命を奪われました。
このような子どもたちが生きていたら、世界にどのような貢献をしていたのか、私たちにはもう知る由もありません。
生き残った子どもたちの中には、あまりのショックで自分たちの経験を語れなかったものも多くいます。
きょう、私たちはこうした「声なき声」に耳を澄ますのです。
国連がホロコーストの普遍的教訓を教え続ける理由は、ここにあります。
私たちが毎日、あらゆる場所で子どもの権利と希望の実現に努める理由も、ここにあります。
そして、私たちがこれからも、今年生誕100年を迎えるラウル・ワレンバーグをはじめ、偉大な人道主義者の輝かしい事例を引き続き範としてゆく理由も、ここにあるのです。
私たちはきょう、老いも若きも、ホロコーストで命を落とした人々に思いを馳せます。私はすべての国々に対し、人種、皮膚の色、性別、そして宗教的信条に関係なく、最も弱い立場にある人々を守るよう呼びかけます。
子どもたちは、人類最悪の行いの矢面に立たされやすい存在です。
私たちは子どもたちに、この世界が提供できる最もよいものを見せてあげなくてはならないのです。
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