国連平和維持要員の国際デー(5月29日)事務総長メッセージ
プレスリリース 12-023-J 2012年05月29日
「国連平和維持要員の国際デー」は、世界でも極めて不安定かつ危険な地域で展開中の17のミッションに携わる12万人の平和維持要員に敬意を表する機会です。
この日はまた、平和維持要員の殉職を悼む機会でもあります。2011年には112人の男女要員が平和のために命を捧げました。今年もすでに4月の段階で、27人の国連平和維持要員が勤務中に命を落としています。
私たちはきょう、これまでに殉職した計2,900人を超える平和維持要員を追悼するとともに、彼らの遺志を継ぎ、戦災国に安定をもたらすことを誓います。
これまで多数の平和維持要員提供国から殉職者が出ていますが、この事実は国連の平和維持を支えるグローバル・パートナーシップの存在を如実に物語っています。
現在、国連PKOに兵員と警察官を提供している国々は116カ国にのぼります。この意味深い数字は、集団安全保障の手段としての国連平和維持に対するグローバルな信頼の高まりを反映しています。世界の新たな課題の解決を国際社会が国連に期待していることを立証する最新の事例は、シリアに派遣された監視団です。シリア政府をはじめとする紛争当事者は、数千人もの死者を出している暴力を終わらせるという約束をしたわけですが、監視団は難しい課題に直面しつつも、その約束を守らせるために勇敢な活動を続けています。この監視団は、暴力の終焉とシリア危機の政治的解決に向け、国連・アラブ連盟共同特使が主導する国連の幅広い取り組みの一環として展開されているものです。
国連の平和維持ミッションの最終的目標は、その派遣の必要をなくすことにあります。この目標が達成されるまで、私たちは平和維持の効果と効率をできるだけ高められるよう、全力を尽くします。
私はあらゆる兵員と警察官の提供に加え、平和維持を可能にしている資金や物資の供与にも深く感謝しています。また、政治的な支援やリーダーシップを提供するすべての国にも感謝します。特に安全保障理事会の理事国は、ミッションの任務を決定し、現地情勢の変化に応じて派遣を調整することで、国連の活動を指導、強化しています。
地域機関が果たす役割も、ますます重要になってきました。例えば、アフリカ連合と国連は、ダルフールとソマリアで密接に協力しつつ、神の抵抗軍(LRA)による脅威にも共同で対処しています。こうしたパートナーシップは、今日の国際の平和と安定に対する幅広い挑戦に対処するための柔軟性を国連の平和維持に与えるうえで役立っています。
今年の「国連平和維持要員の国際デー」にあたり、これまで平和維持要員が払ってきた犠牲を思い出すとともに、全世界数百万人の人々にとっての希望の光として、国連ブルー・ヘルメットの展開を支えているグローバル・パートナーシップの強化を誓おうではありませんか。
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