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国際薬物乱用・不法取引防止デー(6月26日)事務総長メッセージ

プレスリリース 12-025-J 2012年06月22日

薬物の乱用と不法取引は、全世界の開発と安定に深刻な悪影響を及ぼし続けています。

不法薬物から生み出される数十億ドルの収益は、テロリストの活動資金となるだけでなく、人身取引や武器密輸、密航など、その他の犯罪も助長しています。

不法薬物とこれに関与する犯罪者のネットワークは、法の支配を根底から覆します。また、こうした犯罪者が裁きを受けることなく、平然と活動を続けていることで、大きな恐怖と、あらゆるレベルのガバナンスに対する幻滅が生まれています。

例えば中米では、越境組織犯罪と薬物密売により、暴力が激化の一途をたどっています。事実、この地域の殺人率は世界で最も高くなっています。

アフガニスタンの開発は、世界的に見ても極めて高いアヘン乱用率によって妨げられています。ミャンマーの一部地域では、食料不安に直面した農民が換金作物としてケシの栽培を余儀なくされています。

ヨーロッパへの主要な薬物密売ルートとなっている西アフリカや中央アフリカでも、薬物問題が大きな試練をもたらしています。この地域には、法律、金融面の制度が不備なため、薬物犯罪に利用されやすい国が多いからです。

しかも、薬物の経由国はもはや、単なる供給連鎖の一環ではなく、それ自身が最終目的地となっています。西アフリカと中央アフリカを経由して密売されるコカインの約半分は、域内で売りさばかれています。こうした薬物消費パターンの変化は、苦労の末に達成された持続可能な開発とよいガバナンスを脅かしているのです。

国連の薬物、犯罪、腐敗対策条約は、こうした課題のグローバルな解決を図るうえで、しっかりとした基盤を形成しています。これら諸条約は全体として、密売を食い止め、換金作物農家にとって長期的に採算が取れる代替作物の栽培を促進し、薬物使用者の健康と人権を確保するという、バランスの取れたアプローチを提供するものです。

開発を促進し、薬物や犯罪と闘おうとする私たちの取り組みを、若者や市民社会、各国政府、国際社会とのパートナーシップに根づかせることができれば、その効果はさらに増すことでしょう。私たちが力を合わせれば、数百万の人々の苦痛を和らげ、国々やコミュニティ、そして家族を薬物と犯罪の呪縛から解き放つことができるのです。

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