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ホロコースト犠牲者を想起する国際デー(1月27日)事務総長メッセージ

プレスリリース 13-001-J 2013年01月25日

第二次世界大戦中、アドルフ・ヒトラーが唱えたアーリア人至上主義という歪んだイデオロギーに合わないとされた何百万人もの人々-ユダヤ人、シンティ・ロマ人、同性愛者、共産主義者、精神障害者など-が組織的な迫害を受け、捕らえられ、死の収容所に送られました。すぐに殺害された人もいれば、残虐な強制労働の末に亡くなった人もいます。こうした犯罪を決して忘れることのないよう、私たちは毎年、アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所が解放された日を「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」と定めています。

今年の国際デーのテーマは「ホロコースト時代における救済:手を差し伸べる勇気」です。このテーマのもと、自らの命や家族に及ぶ危険を顧みず、ユダヤ人やその他の人々をナチス支配下における絶望的な窮地から救い出した人たちを称えます。救済者たちの物語は様々です。ナチスに狙われた人々を自宅にかくまった人もいれば、被害者家族を安全な場所に逃がしたり、逃亡に必要な書類の入手を手伝ったりした人もいます。しかし彼らには共通点があります。それは勇気、思いやり、そして道徳的なリーダーシップです。

こうした実話の中には、ブダペストで数万人のユダヤ人を救ったスウェーデンの外交官、ラウル・ワレンバーグのように、広く人々の称賛を集めているものもいくつかあります。しかし多くの救済者の物語は、その勇敢な行動に助けられた当事者たちにしか知られていません。今年の国際デーでは、歴史的な記録を加え、こうした知られざる英雄たちに対してその行いにふさわしい敬意を表します。

「ホロコーストと国連」アウトリーチ・プログラムでは、こうした救済者についての教育用パッケージを作成しました。ジェノサイドという行為は個人や社会全体が陥り得る悪の底深さを示すものですが、暗黒の時代にあっても人間は素晴らしい善をなすことができるということを、これらの勇敢な男女たちは証明しています。

この国際デーに、ホロコーストで命を奪われた罪のない人々に思いを寄せましょう。そして、手を差し伸べる勇気を持っていた人々、人間の尊厳を守るために並々ならぬ行動に出た普通の人々に力をもらいましょう。彼らの行動を模範とすることで、私たちはより良い世界を築くことができるのです。

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ホロコースト犠牲者を想起する国際デー(1月27日)