核兵器の全面的廃絶のための国際デー(9月26日)事務総長挨拶 (ニューヨーク、2017年9月26日)
プレスリリース 17-048-J 2017年09月26日
ここ数カ月で、核兵器がもたらす危険が一気に高まったことにより、本日のイベントはかつてなく時宜にかなったものとなりました。
私たちは、核兵器の使用によって人間と環境に及ぶ恐ろしい影響が、国境を越えて広がることを知っています。
あらゆる国に、これら他に類を見ない破壊的兵器の廃絶を求める権利があるのは、そのためです。
同じ理由により、核軍縮は初の総会決議から、最近になって交渉が成立した「核兵器禁止条約」に至るまで、すでに70年以上もの間、国連にとって原則的な目標にもなってきました。
核兵器の使用を免れる世界とは、核兵器自体がまったく存在しない世界に他なりません。
このような世界を実現するという目標は、全世界で共有されていますが、この目標は最近、多くの挑戦にさらされています。
朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)は、一連の挑発的な核実験とミサイル実験を行い、緊張と拡散の危険をともに高めています。私は改めて、これらの行為を非難するとともに、安全保障理事会の今回の事態に対する断固とした対応と、平和的、外交的、政治的解決に向けた意欲を歓迎します。
私は、ロシア連邦と米国をはじめ、核兵器保有国がこれまで、それぞれの兵器備蓄量と、安全保障政策における核兵器の役割をともに削減すべく、多大な努力を行ってきたことを認めます。
しかし、兵器の近代化に向けて大量の資金が投入され、新たな戦略兵器削減条約(START)後の兵器備蓄の削減が計画されていないことで、軍縮を進めることが難しくなっています。
核軍縮をどのように達成すべきかにつき、各国の間には依然として大きな意見の隔たりが見られます。
20年にわたり軍縮会議が膠着状態にあることで、この亀裂はさらに深まっています。
私たちが困難な状況に陥っていることは確かですが、だからと言って、より平和な国際社会を目指すという、私たちが共有する責任に背を向ける言い訳にはなりません。
核兵器禁止条約は、核兵器を保有しないという規範を強めることになります。
規範の発展から先に歩を進めるためには、包摂的な対話、国際協力の再活性化、そして何よりも、検証可能な普遍的な核軍縮が必要です。
核兵器のない世界に至る道はいくつもあります。核兵器保有国には、核兵器不拡散条約(NPT)の各再検討会議で合意されたものを含め、具体的なステップを踏むことにより、その先頭に立つ特別な責任があります。
しかし、核兵器のない世界は、グローバルな対応を必要とするグローバルなビジョンです。
国連には、このビジョンを実現するため、皆様全員と協力する用意があります。これに貢献する責任は、どの国にもあるからです。
ありがとうございました。
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