アフリカ・デー(5月25日)に寄せる潘基文国連事務総長メッセージ
プレスリリース 08-030-J 2008年05月23日
「アフリカ・デー」は、アフリカを支援していくという私の個人的な確約を改めて表明するとともに、この地域と一体となって、恒久的な平和と持続可能な開発を達成することにより、アフリカの潜在能力をいかんなく発揮していくという国連の決意を再確認する機会です。
アフリカは国連にとっての最優先課題です。平和と安全、開発、人権、そして人道援助に関する国連のあらゆる活動で、アフリカは引き続き中心的な位置を占めています。これら分野ではいずれも大きな課題が残されてはいますが、私たちには、こうした課題に立ち向かう上で願ってもない資源があります。それはアフリカの人々の活力と創造性にほかなりません。
多くのアフリカ諸国が最近、持続的な経済成長を遂げていることは、称賛に値します。アフリカ連合(AU)の平和安全保障理事会や賢人パネル、その他の斬新なイニシアティブを通じ、自らの問題を解決しようとするアフリカの断固とした取り組みにも、感銘深いものがあります。同時に、「アフリカ開発のための新パートナーシップ」を枠組みとする経済復興は、国際社会からの支援を得ています。
国連は引き続き、AUと密接に協力しながら、ダルフールやソマリアをはじめとする安全保障上の懸念に取り組んでゆきます。そうすることで、国連とAUの協力基盤を固めることもできるのです。
21世紀によりよい世界の実現を目指す国連のビジョン「ミレニアム開発目標(MDGs)」の達成に焦点を当てた今年の「アフリカ・デー」には、特に深い意味があります。これら目標の達成に向けた中間点を過ぎた今、これまでにも増して、私たちは特にアフリカで成功を収めることを決意しています。
私はこの理由から、アフリカ自身による開発努力に対し、さらに効果的な多国間支援を結集するという優先的取り組みの一環として、MDGアフリカ運営グループ(MDG Africa Steering Group)の座長を務めています。私たちは極端な貧困や病気、識字能力の欠如といった現状の制約を克服しつつ、気候変動や食料価格の急騰などの新たな課題にも取り組まなければなりません。
これらの取り組みにはいずれも、パートナーの力が必要です。この意味で、私はAU委員会のアルファ・ウマル・コナレ元委員長とそのチームによる多大な貢献に、深く感謝したいと思います。と同時に、ジャン・ピン新委員長をはじめ、最近AU委員会のメンバーに新たに就任した方々も、温かくお迎えしたいと思います。
この「アフリカ・デー」を機会に、前途の難題克服と、その巨大な潜在能力の発揮を目指す元気なアフリカの人々に、ともに支援の手を差し伸べていく決意を新たにしようではありませんか。