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安全保障理事会での不拡散とDPRKに関する事務総長発言( ニューヨーク、2017年12月15日)

プレスリリース 17-073-J 2017年12月22日

議長、私はこの会合を招集していただいた日本と、議長個人に対し感謝いたします。

また、多くの閣僚をはじめとする代表の方々の出席と、韓国、朝鮮人民共和国(DPRK)双方のこの重要な会合への参加に感謝するとともに、これを歓迎いたします。

朝鮮半島情勢は、今日の世界の平和と安全にとって、最も緊迫した危険な問題となっています。

私は、意図せぬ事態の深刻化と誤算によるものを含め、軍事衝突の危険性を深く憂慮しています。

今週、すでに政治担当事務次長が最近のDPRK訪問に関し、安全保障理事会でブリーフィングを行ったことは承知しています。私は事務次長の発言を繰り返すことはしませんが、それが国連事務局とDPRK高官とのほぼ8年ぶりの政治的対話であったことは指摘しておきたいと思います。

事務次長の訪朝は、困難な時期を経て実現しました。

DPRKは2017年、その核弾道ミサイル計画に関する活動を恐るべきペースで加速させました。

9月3日には「二段階式熱核反応兵器」と称するものが絡む6度目の核爆発実験(を行いました)。

この実験はマグニチュード6.1の地震を引き起こしています。

DPRKはこの1年間に、20発に上る弾道ミサイルを発射しました。

その中には、初の大陸間弾道ミサイル2発の実験と、新型の中距離ミサイルと中距離弾道ミサイルの実験が含まれています。

9月には、中距離弾道ミサイル「火星12」が2発、日本の上空を通過しました。

こうした発射について、航空、海上の安全を確保するための通告はまったく行われていません。

国際原子力機関(IAEA)は依然として、DPRKで核開発計画の現状に関する実地検証を行えていません。IAEAは衛星画像を通じて動向を監視しています。

寧辺核施設では、プルトニウム生産炉や申告済み遠心分離濃縮施設の稼働と符合する痕跡が観測されています。

IAEAは、平山のウラン鉱山とウラン濃縮工場でも、採鉱、精錬、濃縮活動が続けられている兆候を引き続き観測しています。

核実験禁止という規範を破り続けている国は、DPRKの他にありません。

その行動は、安保理の意志と決議を踏みにじるものであり、核実験を行わないという国際的な規範と核不拡散体制を根底から損なうものでもあります。

9月に採択された安保理決議2375には、DPRKに対するこれまでで最も厳しい制裁が盛り込まれています。

私はDPRKの指導層に対し、関連の安保理決議を遵守し、朝鮮半島の非核化と持続可能な平和に関する対話を再開できる余地を作り出すよう、改めて呼びかけます。

すべての関係者が、偶発的な事態の悪化による紛争の回避に努める中でも、根拠のない自信過剰や危険な弁論、さらにはコミュニケーション手段の欠如により、リスクはさらに拡大しています。

今こそ、南北朝鮮間と軍事担当者間の連絡を含め、コミュニケーション手段の再構築と強化を図るべき時です。これは誤算や誤解のリスクを低下させ、地域の緊張状態を緩和するうえで欠かせません。

いかなる軍事行動も、壊滅的かつ予測不可能な結末をもたらします。

安保理の結束は、非核化という目標の達成に欠かせない手段であるとともに、この目標を平和に達成することをねらいとする外交的な取り組みの余地を作り出します。

安保理決議2375は「包括的な解決のための見通しを進展させるため、緊張を緩和する更なる作業」における結束を求め…「事態の平和的かつ外交的な解決に対する要望」を表明するとともに…「対話を通じた平和的かつ包括的な解決を容易にする理事国及びその他の加盟国の努力を歓迎」しています。

事務局と私は、この取り組みにおける皆様のパートナーです。私にはいつでも、調停活動を行う用意があります。

私は、国連事務局が3つの領域で、戦略的な価値を高めると確信しています。

第1に、その中立性が挙げられます。

第2に、国際法に沿い、平和的かつ外交的な解決を図るための発言力と規範、価値観と原則があります。

第3に、あらゆる当事者とのコミュニケーションの手段を提供できます。国連は、6者がすべて参集し、理解の相違を狭めるとともに、信頼醸成措置を促進できる重要な場でもあります。

私は事務総長として、この3つの領域を守り、強化することをお約束します。

安保理はこの取り組みで結束しなければなりません。

私は、安保理が人道上、人権上の懸念を表明したことを歓迎します。

事務局は一貫して、平和と安全の状況を人道上の義務と分けて考えることの重要性を伝えてきました。

DPRKの国民の70%は食料不安に陥り、40%は栄養不良の状態にあるとされています。

2017年のDPRK「人道ニーズと優先課題」報告書は、緊急に必要な資金として1億1,400万ドルの拠出を求めています。

そのうち、実際に拠出されているのはわずか30%にすぎません。

私はすべての加盟国、特にこの会合への参加国に対し、私たちの活動の基盤となっている人道原則を考慮するよう要請します。DPRKの国民は寛大さと支援を必要としています。

アスリートたちは近々、平昌の冬季オリンピックに集う予定です。私はDPRKの参加を心から期待しています。

総会も認識しているとおり、オリンピックは平和と開発、寛容、そして朝鮮半島とその他の地域に関する理解を高めることができます。

私たちは、希望と可能性の精神を広げ、深める必要があります。

持続可能な平和と非核化へと向かう道は、外交的な取り組み以外にありません。

私たちは、この目標を達成するため、全力を尽くさねばなりません。どのような形で表出するか予測できない、破滅的な結末をもたらすレベルの危険は避けなければならないのです。

ありがとうございました。

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原文(English)はこちらをご覧ください。