人権デー(12月10日)に寄せる国連事務総長メッセージ
プレスリリース 08-068-J 2008年11月25日
今年の人権デーは、世界人権宣言採択60周年にあたります。
第2次世界大戦直後の荒廃と窮乏の中で起草された人権宣言は、繁栄、尊厳、そして平和的な共存の未来を求める人類の願いを形にしたものです。
宣言の採択は画期的な出来事でした。人権宣言は今日でも、国連の組織としての存在意義そのものです。
私たちは今、人権宣言の起草者たちと同様、気の遠くなるほど困難な課題に直面しています。
食料危機と世界金融危機が同時に起きています。
人間の手による自然環境の破壊は続いています。
あまりにも多くの国々で、政治的弾圧が起きています。
そして、もっとも弱い立場に置かれた人々は、依然として苦難と虐待の矢面に立たされています。
災害や貧困、不安による最大の悪影響を免れているもっとも幸運な人々でさえ、見て見ぬふりをすることはできません。虐待と無関心はやがて大きなうねりとなって、地球全体を飲み込みかねないからです。
世界は連帯して、権利、特にその侵害の問題に立ち向かわなければなりません。
私は今年の人権デーにあたり、世界人権宣言に謳われた権利を守るという集団的責任を、私たちすべてが果たしていくことを期待します。
宣言の原則がどこでも、そして誰にでも完全に適用されて初めて、この感動的な文書の崇高なビジョンを実現できるのです。