国際女性の日(3月8日)に寄せる潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ
プレスリリース 09-009-J 2009年03月06日
私は昨年、世界中の人々や各国政府に対して、女性や女子に対する暴力を終わらせるために団結するよう呼びかけるキャンペーンに着手しました。このキャンペーンはミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限となっている2015年まで続きます。キャンペーンとMDGsとの関連性は明白です。私たちは、命を脅かし、健康を損ね、貧困を永続化させ、女性の平等とエンパワーメントの達成の妨げとなっている慣習的・社会的に根深い暴力を阻止しなければなりません。
女性に対する暴力は、HIV/エイズの蔓延にもつながります。女性の3人に1人が一生のうちに暴力を受け、性的行為を強いられ、あるいは虐待を受けている国があります。紛争下において、女性や女子は組織的・意図的にレイプや性的暴行の被害を被っています。
女性に対する暴力は、「一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進する」という国連憲章の公約に真っ向から反しています。暴力がもたらす影響は、目に見える短期的なものばかりではありません。死亡、負傷、医療費や失業は、氷山の一角に過ぎません。破壊された人生や生活において、女性や女子、その家族や地域社会、そして社会全体への影響は想像を絶するものです。あまりにも多くの場合、罪は罰せられず、加害者は無罪放免になっています。いかなる国、文化、女性、老いも若きも、この問題に無縁ではいられません。
一方、男性も私たちの社会の汚点である女性と女子に対する暴力に声高に反対しています。その国際的な動きの例としてホワイトリボン・キャンペーンやヴィV-デイDayキャンペーンのヴィV-メンMenなどが挙げられます。また、地域社会のワークショップでは、男性が他の男性に暴力以外の解決方法もあることや、「真の男なら女性に暴力を振るわない」ということを教えています。
何世代にも渡って培われてきた人々の物の見方や慣習を変えることは容易ではありません。私たち全て、すなわち各個人や組織、政府の協力が必要です。私たちは共に、最も高いレベルで、どんな形、背景、状況であろうとも、女性に対する暴力は許されないということをはっきりと主張していく必要があります。
私たちは、女性のエンパワーメントを支える経済・社会政策を必要としています。そして、非暴力を促進するためのプログラムや予算を必要としています。また、メディアを通して、女性のプラス・イメージを伝える必要があります。暴力は犯罪だと明記し、加害者に責任を課し、処罰を与える法律が必要です。
“UNiTE to End Violence Against Women” キャンペーンは、男女が力を合わせて女性への暴力に反対する取り組みです。共に力を合わせることによってのみ、私たちは、より平等で平和な社会を構築することができるのです。この国際女性の日に、変化をもたらす決意を固めようではありませんか。