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世界エイズ・デー(12月1日)に寄せる潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ

プレスリリース 10-094-J 2010年12月01日

来年は、エイズのまん延が始まってから30年目にあたります。この節目は私たちにとって、エイズについてもう一度よく考え、決意を新たにする機会となります。

エイズは過去30年間にわたり、筆舌に尽くしがたい苦痛と死をもたらしてきました。しかし、時が経つにつれ、もう一つの事実が明らかになってきました。それは国際社会が行動を起こし、命を救おうという熱意をもって団結する姿でした。こうした取り組みはまさに、世界を変えているのです。

新たなHIV感染者の数は少なくなってきました。数百万人がHIV治療を受けられるようになりました。HIVの母子感染を防ぐことのできる女性も増えてきました。ペースとしては遅すぎるものの、HIV患者に付きまとっていた恥辱が思いやりや人権の認識へと姿を変える中で、こうした人々に対する渡航制限を解除する国も多くなっています。

決意と連帯感にあふれたこの動きは、世界がエイズ禍の峠を越えるきっかけを作っています。HIVのまん延を阻止し、これを減少させることにより、私たちはついに、ミレニアム開発目標(MDG)6の前半部分を達成したのです。私たちは引き続き、新しい大胆な道を切り開いていかねばなりません。

私たちにとって共通の目標が、HIVの予防、治療、ケアおよび支援の完全普及にあることは明らかです。私たちはまた、エイズ対策を持続可能にすることにも努めなければなりません。

この危機の到来から30年が経過した今、HIVの新規感染ゼロ、差別ゼロ、そしてエイズ関連の死亡者ゼロという「3つのゼロ」の達成に、私たちの照準を合わせようではありませんか。そして、今年の「世界エイズ・デー」にあたり、全世界の人々のために、このビジョンの実現に努めることを誓おうではありませんか。