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WFP国連世界食糧計画の2020年ノーベル平和賞受賞に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長発言(2020年10月9日)

プレスリリース 20-079-J 2020年10月15日

私は、ノーベル委員会がWFP国連世界食糧計画(国連WFP)に今年のノーベル平和賞を授与する決定をされたことを嬉しく思います。

その功績を認められた国連WFPのデイビッド・ビーズリー事務局長とすべての職員に対し、心からお祝いを申し上げます。

国連WFPは、世界の食料不安への第一対応者として、最前線で活動しています。

豊かになった世界で、なお数億人の人々が空腹のまま毎夜眠りについているという事実には、不条理を感じざるをえません。今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)により、さらに数百万人が飢饉の瀬戸際に立たされています。

国連難民高等弁務官を務めていた10年間に、私は国連WFPの同僚達と手を携えて活動する機会にも恵まれました。

とてつもなく大きな勇気と献身、能力をもって、この世界で最も弱い立場に置かれた人々に奉仕するその姿は、最も遠く離れた危険な場所でも見られました。

国際協力に対する渇望も、今あらゆる場所で見られます。国連WFPはこのニーズにも応えています。国連WFPは人道の必要性に衝き動かされながら、政治の領域を越える活動を行っているからです。国連WFP自体も、国連加盟国や一般社会からの自発的拠出金で存続しています。

このような連帯は今まさに、COVID-19パンデミックだけでなく、現代のその他の試練に取り組むためにも必要とされています。私たちは、気候変動のような生存に関わる脅威が、飢餓の危機をさらに悪化させることを知っています。また、飢餓ゼロの達成は平和に欠かせないことも分かっています。

空腹を抱える世界は、平和な世界ではありません。

私はきょうも、そしていつの日も、平和という大義と国連の価値観を推進するため、全力で取り組んでいる国連WFP、そして国連全体の、女性と男性に、敬意を表したいと思います。

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