国連デー(10月24日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 20-080-J 2020年10月23日
友人の皆様、
国連創設75周年は、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)のさなかに迎えることになりました。私たちの創設時からの使命は、かつてなく重大になっています。
それは、人間の尊厳を促進すること、
人権を擁護すること、
国際法を尊重すること、
また、人類を戦争から守ることでもあります。
このパンデミックが起きた時、私はグローバル停戦を呼びかけました。
今日の世界で、私たちはCOVID-19という共通の敵と対峙しています。
今こそ、和平への取り組みにさらに力を入れ、グローバル停戦を実現すべき時です。時間はどんどん無くなっています。
私たちは地球とも、和平を実現しなければなりません。
気候緊急事態は、まさに生命そのものを脅かしているからです。
世界中の力を結集し、2050年までにカーボンニュートラル、すなわち温室効果ガスの排出量で正味ゼロを実現しなければなりません。
ますます多くの国や企業が、この目標の達成を約束しています。
私たちは世界中で、貧困や不平等、飢餓や憎悪を原因とする人間の苦悩に終止符を打つとともに、人種や宗教、ジェンダーその他の区別に基づく差別と闘うため、さらに取り組まなければなりません。パンデミックの数カ月間で、女性と女児に対する暴力は恐ろしく増加しています。
私たちは前進を重ねていかなければなりません。すべての人が安全なCOVID-19ワクチンを手ごろな価格で利用できるよう、地球規模で異例の協業が進められているところです。
持続可能な開発目標(SDGs)は、より良い復興に向けて人々を鼓舞する青写真を見せてくれています。
私たちはとてつもない試練に直面しています。しかし、グローバルな連帯と協力があれば、克服は可能です。
それこそが国連の存在理由です。
国連デーにあたり、私はあらゆる場所の人々に、手を携えるようお願いします。国連は皆さんと共にあるだけではありません…。
国連は「われら人民」である皆さんのものであり、皆さん自身でもあるのです。
国連憲章の揺るぎない価値観を、一緒に守ろうではありませんか。
私たちの数十年にわたる前進に、さらに前進を重ねようではありませんか。
そして、すべての人にとってより良い世界をめざす、共通のビジョンを実現しようではありませんか。
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