人権デー(12月10日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長ビデオ・メッセージ
プレスリリース 20-096-J 2020年12月10日
「より良い復興へ:人権のために立ち上がろう」
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)は、人権に関する2つの根本的な真実を改めて浮き彫りにしました。
第一に、人権侵害は私たち全員を傷つけるということ。
COVID-19のパンデミックは、最前線で働く人々、障害者、高齢者、女性や女児、少数者などの脆弱な立場に置かれた人々に不当に大きな影響を及ぼしています。
COVID-19が広まったのは、貧困や不平等、差別、自然環境の破壊といった人権蹂躙で、私たちの社会が非常に大きな脆弱性を抱えていたからです。
同時に、今回のパンデミック自体も、シビック・スペースと報道の自由を縮小させる手荒な治安対策と抑圧的な施策に口実を与えることにより、人権を根底から損なっています。
パンデミックによって明らかになった第二の真実は、人権が普遍的であり、私たち全員を守るということです。
パンデミックに対する効果的な対策は、連帯と協力に基づくものとしなければなりません。
分断を煽るやり方や権威主義、ナショナリズムは、グローバルな脅威に対して何の効果もありません。
人々とその権利を、対応と復興の前面と中心に据えなければなりません。このパンデミックを克服し、将来に向けて私たち全員を守るために必要なのは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジのような普遍的で権利に基づく枠組みです。
私の「人権のための行動呼びかけ(Call to Action for Human Rights)」は、危機対応やジェンダーの平等、市民の参加、気候正義、持続可能な開発に人権が果たす中心的な役割を明らかにしています。
「人権デー」の今日も、そしていつの日も、人権を正面と中心に据えながら、COVID-19のパンデミックからの復興と、すべての人にとってより良い未来の構築に向け、力を合わせて取り組むことを決意しようではありませんか。
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