「果物と野菜の国際年2021」の開始に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ(2020年12月15日)
プレスリリース 20-099-J 2020年12月25日
果物と野菜は、健康的で多様な食生活の基本です。人間の身体に豊富な栄養素を届け、免疫系を強化し、多くの疾病リスクの低下に役立つからです。しかし、このような素晴らしい恩恵があるにもかかわらず、私たちは野菜や果物を十分に摂れていません。
私たちは2021年を「果物と野菜の国際年」と宣言することで、この不可欠な存在により注目し、人間の健康と環境の健全性に資する、より包括的な生産・消費アプローチの採用を強く促しています。
「果物と野菜の国際年」の重要な節目となるのが「食料システム・サミット」です。私たちはそこで、あらゆるステークホルダーに対し、食料システムをさらに包摂的で強靭かつ持続可能にするための取り組みを強化するよう呼びかけていきます。
「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は、飢餓と闘い、貧困に終止符を打ち、地球を守るうえで、私たちの食料システムが果たす役割を重視しています。しかし、人口の増加や都市化の進行、天然資源の希少化、農業汚染と土地利用変化、大量の食料ロスと廃棄、さらには気候変動の影響が相まって、私たちの食料システムの脆弱性が露呈しているのが現状です。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)が、全世界の人々の健康と暮らしに影響を与え続ける中で、私たちは果物と野菜を含め、栄養のある食料が社会的最弱者層にも届くよう、団結して取り組むことで、誰一人取り残さないようにせねばなりません。
果物と野菜の国際年を機会に、私たちが食料を生産、消費するやり方との関係性を考え直そうではありませんか。そして、私たちの食料システムを見直し、必要とする多様な栄養を誰もが手頃な価格で入手できるよう、より健康で強靭かつ持続可能な世界の実現を約束しようではありませんか。
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