COVID-19パンデミックによる死者が200万人に達したことに関するアントニオ・グテーレス国連事務総長ビデオ・メッセージ(ニューヨーク、2021年1月15日)
プレスリリース 21-003-J 2021年02月03日
私たちの世界は痛ましい転換点を迎えました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)による死者が200万人に達したのです。
この驚異的な数の裏には、それぞれの人の名前と顔があります。思い出となってしまった笑顔や食卓にできてしまった永遠の空席、愛する者を失い、静寂がこだまする部屋。
悲しいことに、今回のパンデミックが及ぼす致死的な影響は、グローバルな協調的取り組みの欠如によって、さらに悪化しています。
これら200万の人々を偲ぶためにも、世界ははるかに大きな連帯感をもって行動しなければなりません。
今がその時です。
安全で効果的なCOVID-19ワクチンの接種が始まっています。そして国連は、史上最大規模のグローバルな予防接種に取りかかる各国を支援しています。
私たちは、ワクチンがグローバル公共財、すなわち人々のワクチンとみなされるよう、全力を尽くしていきます。
そのためには、ACTアクセラレーターと、ワクチンをすべての人にとって物理的、金銭的に入手可能にすることを目的とする「COVAXファシリティー」に、十分な資金を提供する必要があります。
世界の経済大国には、特別な責任があります。
しかし現在、私たちはワクチンの空白地帯を目の当たりにしています。
ワクチンは高所得国に迅速に到着する一方で、世界の最貧困層にはまったく届いていません。
科学が成果を上げる一方で、連帯感が低下しています。
中には、裏取引を行い、必要以上の調達を行っている国もあります。
各国政府には国民を守る責任がありますが、「ワクチンナショナリズム」は自滅的行為であり、グローバルな復興を遅らせてしまいます。
それぞれの国が個別にCOVID-19に打ち勝つことはできません。
医薬品メーカーには、COVAXファシリティーとの連携に向けた決意を強めてもらう必要があり、世界各国には、十分な供給と公正な配給を確保してもらう必要があります。
私たちは各国に今こそ、余ったワクチンを共有してもらう必要があります。
そうすれば、全世界の医療従事者にワクチンを緊急に接種し、医療制度を崩壊から守ることにも役立つでしょう。
その他、人道支援要員やリスクの高い人々をはじめ、最前線で活動する人々も優先しなければなりません。
人々の信用を得るためには、事実に基づく効果的なコミュニケーションを通して、ワクチンに関する信頼と知識を高めなければなりません。
科学が新しい希望を切り開き続ける中で、お互いの安全を確保するための簡単な実証済みの対策を忘れないようにしようではありませんか。それはマスクを着用し、身体的距離を確保し、人混みを避けることです。
私たちの世界がこのウイルスを克服するには、一緒に行動するしかありません。
グローバルな連帯こそが命を救い、人々を守り、この悪質なウイルスに打ち勝つ助けとなるのです。
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