核実験に反対する国際デー(8月29日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 21-045-J 2021年08月30日
今日は、カザフスタンにあった旧ソ連最大の核実験場、セミパラチンスク核実験場が閉鎖されてから30年目にあたります。450回を超える核実験が行われたこの実験場の閉鎖により、無制限な核実験の時代が終わりを告げました。その後程なく、各国は包括的核実験禁止条約(CTBT)の交渉を開始し、この条約は5年後に採択されました。
核実験は甚大な人的被害と環境破壊をもたらしました。被害を受けた地域の住民の健康に恐ろしい影響を及ぼしました。多くの人々が代々受け継がれてきた土地を離れざるを得なくなり、生活や生計が混乱しました。手つかずの環境や生態系が、修復には数世紀とは言わないまでも数十年はかかるほど、破壊されました。
セミパラチンスク核実験場の閉鎖から30年の間に、核実験に反対する規範が徐々に形成されてきました。CTBTは、いかなる国による、いかなる場所での核兵器のすべての実験的爆発も禁止しており、核軍拡競争に歯止めをかけ、新たな核兵器開発に対する強力な防壁となります。しかしながら、CTBTはほぼすべての国で採択されているにもかかわらず発効されていないために、その可能性を完全には発揮できていません。
私は、この条約をまだ批准していない国々に対して、一刻も早く批准するよう改めて強く呼びかけます。その批准が条約発効に必要な8カ国は、特別な責任を負っています。それと同時に、あらゆる国々が核爆発のモラトリアムを維持または実施すべきです。
「核実験に反対する国際デー」は、いかなる者がいかなる場所で行うものであっても、すべての核実験を禁止するという私たちの約束を再確認する機会です。この目標の達成を遅らせる理由は存在しません。
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