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国連グローバル・コンパクト・ボード会合における事務総長の挨拶(ニューヨーク、2013年5月6日)

プレスリリース 13-019-J 2013年05月16日

*以下は、5月6日に開催された「国連グローバル・コンパクト・ボード会合」で、潘事務総長が冒頭に行った挨拶の非公式訳です。

関連サイト:
http://www.unglobalcompact.org/index.html (英語)
http://www.ungcjn.org/gc/index.html (日本語)

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私はグローバル・コンパクト・ボードが発揮する指導力を高く評価しています。

私たちには意欲的な戦略目標があります。

あらゆる地域でますます多くの企業が、その業務や戦略に環境的、社会的、経済的な要素を反映させることの重要性を認識しています。

グローバル・コンパクトの諸原則を支持する企業の数も、7,000社を超えました。

目下の課題は、市場と社会の双方で、地道な前進から大転換への進化を遂げることにあります。

この一週間、メディアではバングラデシュの衣料品工場で起きた悲劇がトップ・ニュースとして取り上げられています。

これもグローバル・コンパクトの存在意義を如実に表す出来事といえるでしょう。

安全という基本的な側面を含め、労働条件改善に向けた闘いは、まだ勝利の見通しが立たない状況にあります。

バングラデシュでの事件を含め、これまで世界各地で起きてきた悲惨な工場事故や炭鉱での爆発などは、グローバル・コンパクトのすべての参加団体がすでに誓約している国際労働機関(ILO)基準を順守する必要性をはっきりと示しています。

今この瞬間も、ILOのチームは現地で活動を続けています。

依然として、あまりにも多くの企業が収益を重視するあまり、労働者の権利や安全をないがしろにしています。

すべての企業が、そのサプライ・チェーンと距離を置くのではなく、これを厳しく監視すべき時が来ています。

消費者も、自分たちが買う商品が社会や環境に及ぼす影響について教育を受ける必要があります。

グローバル・コンパクトは、安全で持続可能な雇用と機会を促進するうえで不可欠な役割を担っています。

私たちがこのイニシアティブを通じた活動の規模と質を高めなければならない理由もここにあります。

私は戦略的レビューの前進をうれしく思います。

ローカル・ネットワークのエンパワーメント、様々な共通の課題を話し合う場の拡大、グローバル・コンパクトと国連の連携強化など、いくつかの重要な領域で明らかな進展が見られています。

「国連民間セクター・フォーカルポイント会合」と「年次ローカル・ネットワーク・フォーラム」では、各国レベルでグローバル・コンパクトを前進させるための決定が下されました。

私はまた、ガバナンス関連で2つの顕著な動きがあることについても、うれしく思います。

第1に、「ボード・メンバー付託事項」の修正は、新たに設置されたローカル・ネットワーク諮問グループの議長の役割を新設し、ボードの包摂的な性質に形を与えるものとなりました。

第2に、政府およびボード・メンバーとの第1回合同会議では、各国政府との関係強化を望むという強い姿勢が打ち出されました。

各国政府と国連は現在、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成と、2015年以降に関するグローバルな優先課題の設定に向け、さらに弾みをつけようとしています。

グローバル・コンパクト参加団体もすでに、この活動に深く関わっています。

数十回にわたる国別、セクター別協議でも、企業の見解や観点が集約されています。

9月のグローバル・コンパクト・リーダーズ・サミットは、国連と企業が協力し、気候変動やエネルギー、水、食料、女性のエンパワーメント、子どもの権利、人間らしい仕事、教育といった重要分野で共通の目標を目指せることを世界に示す機会となります。

私は、こうした分野で私たちの連携を支援する能力を強化しようというグローバル・コンパクトの取り組みを歓迎します。連携の中には、国連システム全体がさらに幅広い主体とより深く、共に取り組むことを目的に、私が総会に提案した「国連パートナーシップ・ファシリティ」も含まれています。

私は皆様の熱意を称賛します。しかし、私はきょう、グローバル・コンパクトと国連を公私両面からさらに支えていただくことを皆様にお願いしたいと思います。

皆様はそれぞれ大きな影響力をお持ちです。

皆様が力を合わせれば、企業の責任と持続可能性の前進に向け、大きなうねりが生まれるはずです。

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潘事務総長と国連グローバル・コンパクト・ボードのメンバー。日本からは、グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワークの代表理事を務める有馬利男氏が出席している©UN Photo/Rick Bajornas