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国際生物多様性の日(5月22日)事務総長メッセージ

プレスリリース 13-020-J 2013年05月21日

国際社会がミレニアム開発目標(MDGs)の達成と、持続可能な開発に関する一連の目標を含むポスト2015アジェンダの策定に向けた取り組みを加速させる中で、水と生物多様性の問題は議論の重要な軸となっています。

地球上の水は大量にあるように見えても、淡水として容易に入手し、利用できるのはごく一部にすぎません。水の需要が供給を上回ったり、水質が最低限の基準を満たさなかったりすることが多くなる中で、私たちが住む世界では急速に水の不安が高まっています。このままの状況が続けば、将来の水需要は充足できなくなってしまいます。

生物多様性と、これによって提供される生態系サービスは、水の安全が保障される世界を実現するうえで欠かせない存在です。生態系は局地的、地域的、そしてグローバルな水量と水質に影響を与えます。森林は土壌浸食を食い止め、水質と水供給を保護するのに役立ちます。湿原は洪水のリスクを軽減することができます。土壌の生物多様性は、作物が生育するための水の維持に役立ちます。急激な都市化によって水ストレスが特に強まるおそれがある中で、自然に基づくソリューションを都市計画に取り入れれば、都市部の水に明るい展望を拓く可能性があります。

国連総会は生物多様性の重要性を認識し、生物多様性条約の「2011-2020年生物多様性戦略計画」と「愛知目標」をポスト2015開発アジェンダの策定に活用するよう促しています。昨年開催された持続可能な開発に関するリオ+20会議でも、水量と水質の維持に生態系が果たす役割が認識されました。従来の議論は、水の利用と生物多様性のいずれかを取るというトレードオフの関係に集中していましたが、現在では、生物多様性と水の安全保障との相互補完関係に対する理解が深まりつつあります。

「国際水協力年」を迎えた今年、この対立から相乗効果への議論の移り変わりは、特に歓迎すべきことといえます。

私は「国際生物多様性の日」にあたり、私たちが望む未来に向けて全員が足並みをそろえられるよう、「遺伝資源の取得の機会およびその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書」を批准していないすべての生物多様性条約締約国に対して、これを批准するよう呼びかけます。

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©UN Photo