アジア諸国は成果を積み重ね、ミレニアム開発目標(MDGs)達成に向け大きく前進
プレスリリース 13-039-J 2013年07月03日
栄養、教育、識字、健康面で大きな改善、と国連報告書
ニューデリー、7月1日 – 国連の新たな報告書によると、南アジアはミレニアム開発目標(MDGs)の達成に向け、著しい前進を遂げていますが、一部の目標達成には、さらなる取り組みが必要とされています。報告書はまた、東アジアと東南アジアがほとんどのMDGs目標をすでに達成したか、達成する見込みであるとしています。
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長がきょうジュネーブで発表した『ミレニアム開発目標2013』は、いくつかの課題が残るものの、アジア地域は全体として、2015年の達成期限までにMDGsの多くを達成できるめどが立ったことを示しています。
2000年の「国連ミレニアム・サミット」の成果として、すべての国の合意により採択された8つのミレニアム開発目標(MDGs)は、貧困、飢餓、健康、ジェンダーの平等、教育および環境に関する幅広い指標をカバーする多くの具体的目標で構成されていますが、そのほとんどの達成期限は2015年と定められています。
貧困と飢餓の比率は低下
東アジア、東南アジアおよびインドを除く南アジアでは、極度の貧困比率が達成期限よりも5年早く半減しました。報告書によると、インドでは依然として貧困が幅広く見られるものの、状況は改善しています。インドの貧困率は1994年の49%から2005年には42%、2010年にはさらに33%へと低下しました。このペースが続けば、インドは2015年までに貧困削減目標を達成できるはずです。
報告書によると、東南アジアは2015年の達成期限前に飢餓削減目標を達成した唯一の開発途上地域です。全人口に占める栄養不良者の割合は、1990~1992年の29.6%から、2010~2012年には10.9%へと低下しました。東アジアでも同時期に、全人口に占める栄養不良者の割合が20.8%から11.5%へと低下し、飢餓目標達成のめどが立ちました。しかし南アジアでは、過去20年間の栄養不良比率の低下が26.8%から17.6%と、MDGs目標達成には不十分な水準にとどまっています。
報告書は子どもの栄養に関し、2011年の低体重児率が南アジア地域で最も高くなっており、5歳未満の子どもの31%に相当する5,700万人が体重不足だとしています。東アジアは栄養不良児の割合を半減するという目標を達成済みであるほか、東南アジアも目標の達成に近づいています。両地域では1990年から2011年にかけ、低体重児の割合がそれぞれ15%から3%、および31%から17%へと低下しました。
教育と識字率で優秀な成績
報告書によると、アジアは初等教育へのアクセス拡大で目覚ましい前進を遂げています。東アジアと東南アジアは2011年の時点で、開発途上地域において各々第1位と第3位の初等教育就学率を誇っています(それぞれ98%と96%)。南アジアでも大きな進展が見られており、初等教育就学率は2000年から2011年にかけ、78%から93%へと上昇しました。南アジアの非就学児は2000年の3,800万人から2011年には1,200万人へと減少していますが、これは全世界の非就学児減少分のほぼ半数に当たります。
1990年から2011年にかけ、若者の識字率が最も伸びたのも南アジアです(60%から81%)。若年女性の識字率は若年男性よりも速いペースで上昇しています。南アジアの若年女性と若年男性の識字率は1990年から2011年にかけ、それぞれ26ポイントと17ポイントの上昇を遂げました。
幼児と妊産婦の死亡率に大きな改善
報告書によると、東アジアでは、5歳未満の幼児死亡率が1990年の出生千人当たり48人から、2011年には開発途上地域中最低の15人へと69%低下し、幼児死亡率を3分の2削減するという具体的目標が期限を待たずに達成されました。東南アジアでも同時期に58%の減少が見られ、具体的目標達成のめどが立っています。1990年から2011年にかけ、東南アジアの5歳未満の幼児死亡率は、出生千人当たり69人から29人へと低下しました。
東アジア、南アジアおよび東南アジアは、過去20年間に妊産婦死亡率(出生10万人当たり死亡率)が最も大きく低下した地域でもあり、その減少幅はそれぞれ69%、64%、63%となっています。しかし、南アジアの妊産婦死亡率は2011年の時点で出生10万人当たり220人と、全ての地域の中で2番目に高い水準にとどまっています。
水と衛生に関する改善はまちまち
3つの地域では、飲料水に関するMDG目標が、期限より5年早く達成されています。東アジアでは1990年から2011年にかけ、改良水源を利用する人々の割合が68%から92%へと上昇しました。東南アジアと南アジアでも同時期に、改良水源の利用率がそれぞれ71%から89%、および、72%から90%へと伸びました。
衛生面で最も大きな進展がみられた東アジアでは、公衆便所やトイレなど、改良衛生施設を利用する人々の割合が1990年から2011年にかけて27%から67%へと上昇し、期限を待たずにMDG目標が達成されました。東南アジアでは、改良衛生施設を利用する人々の割合が1990年から2011年にかけ、47%から71%へと増大し、MDG目標達成のめどが立ちました。南アジアでは、この割合が24%から41%へと上昇したものの、衛生に関する目標達成のためには、さらに取り組みを加速させる必要があります。
『ミレニアム開発目標報告』は毎年、MDGsの達成に向けた世界と各地域の進捗状況を検証するもので、27を超える国連・国際機関が集計した最も包括的な最新データに基づき、国連経済社会局が作成しています。報告書作成に用いたデータはすべて、mdgs.un.orgで閲覧できます。
さらに詳しい情報、報道資料、各機関の報道関係者お問い合わせ先については、www.un.org/millenniumgoals をご覧ください。
報道関係者お問い合わせ先
ニューデリー:
United Nations Information Centre for India and Bhutan
Mrs. Kiran Mehra-Kerpelman, unicindia@unicindia.org, 91-11-4653-2242
ニューヨーク:
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Wynne Boelt, boelt@un.org, +1 212-963-8264
Mohsin Mohi-Ud-Din, mohi-ud-din@un.org, +1 212 963 1044
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