女性に対する暴力撤廃の国際デー(11月25日)に寄せる アントニオ・グテーレス国連事務総長ビデオ・メッセージ
プレスリリース 21-067-J 2021年11月25日
女性と女児に対する暴力は、今日の世界で最も蔓延した、差し迫った人権問題であり続けています。
これは、世界のあらゆる場所の女性と女児に大きな影響を及ぼす許しがたい犯罪であり、公衆衛生上の緊急事態でもあります。
UN Womenの発表した最新の数字によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの最中に女性と女児に対する暴力のレベルが上昇したことがわかります。
13カ国中、全女性のほぼ半数が、自身や知り合いの女性がパンデミックの最中にジェンダーに基づく暴力を経験するようになったと報告しています。
ほぼ4分の1の女性は、家庭内での争いの頻度が増えたと報告しています。同様の割合の女性が、家庭が以前ほど安全な場所ではなくなったと語っています。
社会のいかなる場所で起こる暴力も、私たち全員に影響を与えます。それは、次世代の人々が負う心の傷から社会機構の弱体化にまで及びます。
私たちは、女性に対する暴力、市民の抑圧、暴力的紛争との間を一本の線で結ぶことができます。それは、レイプや性的奴隷制を戦争の道具として使うことから、暴力的過激主義を貫く女性蔑視の思想にまでつながっています。
しかし、女性に対する暴力は防ぐことができるのです。適切な政策と計画が結果をもたらします。
それは、暴力の根本原因に取り組み、女性と女児の権利を守り、強力かつ自律的な女性の権利運動を推進する、長期にわたる包括的な戦略を意味します。
国連が欧州連合(EU)とのパートナーシップによる「スポットライト・イニシアティブ」を通して構築してきたモデルはまさにこうしたものです。
昨年、パートナー国では、加害者の起訴件数が22パーセント上昇しました。84件の法案と政策が可決または強化されました。さらに、パンデミックによる制約を受けたにもかかわらず、65万人を超える女性と女児がジェンダーに基づく暴力に対処するためのサービスにアクセスすることができました。
変えることができるのです。
今こそ、私たちがともに一層の努力を重ね、2030年までに女性と女児に対する暴力を撲滅しようではありませんか。
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