国際生物多様性の日(5月22日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 22-024-J 2022年05月22日
すべての人々にとって持続可能な未来を実現するには、生物多様性、すなわち私たち全員をつないで支える生命の網を守るべく、緊急に行動する必要があります。私たちは、自然を相手にした愚かで破滅的な闘いを、終わらせなければなりません。生物種が消失するペースは、過去1,000万年の平均の数十倍から数百倍に達し、さらに加速しています。
生物多様性は、持続可能な開発目標(SDGs)の達成、気候変動という存亡に関わる脅威の終結、土地の劣化の停止、食料安全保障の構築や、人の健康増進の支援に欠かせません。そして生物多様性は、環境に配慮した包摂的な成長に向けた、すぐに活用できる解決策を提供します。
今年、各国政府は2030年までに生物多様性を回復軌道に乗せることができる、明確で測定可能な目標と強固な実施手段を備えた、2020年から先のグローバルな生物多様性枠組みに合意するために集います。
この枠組みは、生物多様性の喪失要因に取り組むとともに、世界の陸地、淡水、海洋のより多くを効果的に保護し、持続可能な消費と生産を奨励し、気候変動に対処するための自然に基づいた解決策を採用し、環境を損なう有害な補助金を廃止することによって、自然との共生に必要な野心的かつ革新的な変化を可能にしなければなりません。また、自然に良い影響をもたらす具体的な投資を促す行動や財源を動員し、私たち全員が生物多様性の恩恵を確実に受けられるようにする必要があります。
これらの目標を達成し、「自然と共生」するための2050ビジョンを実施する時、私たちは、公平性と人権、とりわけ生物多様性が豊かな地域に住む多くの先住民族の公平性と人権を尊重して行動しなければなりません。
私たちの地球に欠かすことのできない脆弱な天然資源を守るには、若者や自然にもっとも依存して生計を立てている脆弱な立場に置かれた人を含むすべての人々が関わる必要があります。私はきょう、すべての生命が共有する未来を築くために行動するよう、すべての人に呼びかけます。
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