世界トイレデー(11月19日)に寄せる アントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 22-069-J 2022年11月18日
衛生状態を改善することは、人々の生活を向上させる非常に費用対効果の高い方法です。
衛生状態の改善による恩恵は、公衆衛生にとどまりません。安全なトイレと衛生施設は栄養状態を改善し、希少な水資源の管理に資するほか、特に女性と女児の就学および雇用の機会を促進します。
トイレと衛生施設に1ドルを投資すると、医療費の節約、生産性の向上、教育の改善、雇用の増加という形で、5ドルの利益が生まれます。
しかし私たちは、2030年までにすべての人々に安全なトイレを届けるという約束を果たすための軌道を大きく外れています。この約束は、持続可能な開発のための2030アジェンダにおける重要な指標です。
衛生システムへの投資はあまりにも少なく、進展はあまりにも遅いままです。
依然として、36億の人々が安全なトイレがないという状況で尊厳をもって生きることができずに苦しんでいます。毎日、700人を超える子どもたちが、劣悪な衛生状態や安全でない水に起因する疾病で命を落としています。
今年の「世界トイレデー」にあたり、私たちは、不十分な衛生システムが地下水に及ぼす影響、つまりそうしたシステムが、いかにし尿を河川、湖沼、土壌に拡散して地下水源を汚染させているのかについて、焦点を当てています。
この問題は、地下という目に見えない場所で、そして最も貧しいコミュニティーの中で起きているため、長きにわたって見過ごされてきました。
世界トイレデーにあたり、目に見えるか見えないかに関わらず、持続可能な開発のあらゆる側面で安全なトイレが果たす重要な役割に光を当てようではありませんか。
そして、あらゆる場所のあらゆる人々に水と衛生に対する基本的人権をもたらせるよう、緊急に、かつ野心をもって行動しようではありませんか。
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