女性に対する暴力撤廃の国際デー(11月25日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 22-074-J 2022年11月25日
女性と女児に対する暴力は、世界で最も蔓延している人権侵害です。
11分毎に1人の女性や女児が、親しいパートナーや家族によって殺害されています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックから経済の混乱に至るストレスも、身体的虐待や言葉による虐待のさらなる増加に必然的につながることがわかっています。
女性と女児はまた、女性を嫌悪するヘイトスピーチからセクシュアル・ハラスメント、画像による嫌がらせ、性的加害者によるグルーミングまで、蔓延するオンラインでの暴力にも直面しています。
人類の半数を標的にしたこれらの差別、暴力、虐待には高い代償が伴います。それは、社会のあらゆる方面への女性と女児の参加を制限し、女性と女児の基本的権利と自由を否定し、私たちの世界が必要とする平等な経済復興と持続可能な成長を阻害しています。
今こそ、女性と女児に対する暴力に終止符を打つ、変革的行動の時です。
これは、各国政府がこうした弊害に取り組むための国家行動計画を策定し、予算を割り当て、実行することを意味しています。
意思決定のあらゆる段階に、草の根と市民社会のグループを関与させることも。
法律が確実に施行・尊重され、性的暴力のサバイバーが裁判と支援を受ける権利が守られるようにすることも。
家父長的規範に異議を申し立てるとともに、女性嫌悪や暴力を否定する社会運動を支援することも。
そして、今年のテーマである「団結しよう!女性と女児に対する暴力撤廃へ向けた行動のために」(UNITE: Activism to End Violence Against Women and Girls)」が思い起こさせるように、変化を呼びかけ、暴力のサバイバーを支援する世界中の活動家を支持することを意味するのです。私は、女性の権利団体と運動に対する資金を2026年までに50%増額するよう各国政府に呼びかけます。
女性の権利を支持する態度を明確にし、声を上げようではありませんか。
私たちは全員フェミニストである、と誇りを持って宣言しようではありませんか。
女性と女児に対する暴力を、歴史書に記載された過去のものとしようではありませんか。
* *** *
原文(English)はこちらをご覧ください。