ホロコースト犠牲者を想起する国際デー(1月27日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 23-004-J 2023年01月27日
私たちはきょう、ホロコーストの犠牲者を追悼します。
亡くなった600万のユダヤ人の子どもたち、女性や男性、ロマやシンティの人々、障害者、その他数多くの犠牲者たちを偲びます。
何百万もの人々の命が若くして絶たれ、何百万もの未来が奪われたことに思いを馳せます。
あまりに多くの人々が亡くなったことを心から悼むとともに、私たちは、ホロコーストが防げないものではなかったことも認識します。いかなるジェノサイドも同じです。
ホロコーストは、数千年に及ぶ反ユダヤ主義による憎悪が、頂点へと達した出来事でした。
ナチスが、ヨーロッパのユダヤ人に対する差別から彼らの抹殺へと計画的な残虐行為を進めてしまうことができたのは、それに対して立ち上がった人があまりに少なく、傍観した人があまりに多かったからに他なりません。
国内外での深い沈黙が、彼らをつけ上がらせたのです。
警鐘は、最初から鳴っていました。
ヘイトスピーチと偽情報。
人権と法の支配の軽視。
暴力や、人種至上主義の物語に対する賛美。
民主主義と多様性の蔑視。
ホロコーストの犠牲者を追憶するにあたり、私たちは現代におけるものも含め、自由、尊厳、そして人間性に対する脅威を認識します。
今日、経済面の不満や政情不安が高まり、白人至上主義者によるテロが激化し、憎悪と宗教的偏狭が深まっている中、私たちはこれまで以上に声を上げなければなりません。
私たちはホロコーストを決して忘れてはならず、他者がホロコーストを忘却し、歪曲し、否定することを許してはなりません。
きょうも、そしていつの日も、悪に対して二度と沈黙しないことを、そしてすべての人の尊厳と権利を常に守ることを、決意しようではありませんか。
ありがとうございました。
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