国際平和デー(9月21日)事務総長メッセージ
プレスリリース 13-062-J 2013年09月20日
「国際平和デー」は物事をじっくり考える機会です。それは非暴力という私たちの信条を再確認し、全世界での停戦を改めて呼びかける日でもあります。私たちは世界各地の人々に対し、現地時間の正午、紛争で命を失った人々と、毎日トラウマや苦痛を抱えながら暮らしている生き残った方々に1分間の祈りを捧げるようお願いしています。
私たちは今年、平和のための教育を中心に考えます。教育は世界市民の育成と平和な社会の構築に欠かせないからです。
教育を受ける権利を求めるキャンペーンを行ったことを理由に、タリバンから暗殺のターゲットとされたパキスタンの女子学生マララ・ユサフザイさんが、国連を訪れました。マララさんは「1人の教師、1冊の本、そして1本のペンが、世界を変えられる」と語っています。これらは私たちにとって最強の武器といえます。
昨年、私はこうした理由から「グローバル・エデュケーション・ファースト(Global Education First)」イニシアティブを立ち上げました。質の高い教育を受け、グローバル・コミュニティの一員としての自覚を育てる価値観を学ぶ権利は、男女を問わず、どの子どもにもあるのです。
各国政府と開発パートナーは、あらゆる子どもを学校に通わせ、21世紀の生活に必要な能力を身につけさせようと努めています。教育を受けられない子どもの半数が暮らす紛争被災国をはじめ、最も大きなニーズを抱える国々では、教育普及に向けた新たな弾みがついています。しかし、私たちがすべきことはさらに、ずっと多くあります。5,700万人の子どもたちがまだ教育を受けられず、さらに数百万人が学校教育の改善を必要としているからです。
最も貧しく、最も疎外された子どもたちを教育するためには、大胆な政治のリーダーシップと財源の充実が必要です。ところが、教育に対する援助額は10年ぶりに減少へと転じました。私たちはこの形勢を逆転させ、新たなパートナーシップを築くとともに、教育の質により多くの関心を向けなければなりません。
今年の「国際平和デー」にあたり、私たちの子どもに寛容と相互尊重という価値を教えることを誓おうではありませんか。多様性を受け入れる公正で懐の広い世界を築くため、学校と教師に投資しようではありませんか。平和を勝ち取り、守るため、全力で闘おうではありませんか。
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