国際マザーアース・デー(4月22日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 23-021-J 2023年04月22日
国際マザーアース・デーにあたり、私たちは人類にとって最も重要な関係である、自然界との関係性について振り返ります。
私たちが呼吸する空気から、私たちが飲む水、食物を育てる土壌に至るまで、人類の健康は、母なる地球の健康にかかっています。
しかし、私たちは破壊に躍起になっているようです。
私たちの行動は、森林、ジャングル、農地、湿地、海洋、サンゴ礁、河川、海、湖を荒廃させつつあります。
生物多様性は崩壊しつつあり、100万もの種が絶滅の危機に瀕しています。
私たちはこの容赦のない無分別な自然との戦争に、終止符を打たなければなりません。
私たちには、手段も知識も解決策もあります。しかし、ペースを上げなければなりません。
世界全体の気温の上昇を1.5℃に抑えるために、より大幅かつ迅速な排出量削減を伴う気候行動を加速させる必要があります。また、特にこの危機に最も寄与していない、最も脆弱な立場に置かれた国々とコミュニティーのために、適応とレジリエンス(強靱性)に向けた投資を大幅に拡大することも必要です。
海洋や河川から、森林や草原に至るまで、健全な生態系もまた、気候変動との闘いにおいて非常に重要です。2030年までに地球の陸域と水域の30%を保護するという歴史的な国連の生物多様性に関する合意の履行に取りかかろうではありませんか。
あらゆる段階において、各国政府が主導しなければなりません。しかし、企業や組織、市民社会もまた、極めて重要な役割を担っています。
最後に、私たちは、先住民たちによって長年培われた知恵、知識、リーダーシップに学ばなければなりません。先住民たちの環境管理は数千年前にさかのぼり、世界の気候・生物多様性危機に対して多くの解決策を持ち合わせています。
今年の国際マザーアース・デーにあたり、私はあらゆる場所の人々に対して、学校で、職場で、信仰のコミュニティーで、そしてソーシャルメディア上で声を上げ、指導者たちに自然と和解するよう求めていくことを呼びかけます。
今を生きる人々と地球、そして将来世代のために、私たち全員が、私たち共通の家を守るべく、自らの役割を果たそうではありませんか。
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