世界海洋デー(6月8日)に寄せる アントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 23-032-J Rev1 2023年06月08日
海洋は、生命の基盤です。
私たちが呼吸する空気と口にする食料を供給しています。
私たちの気候と天気を調節しています。
海洋は私たちの地球にとって、最大の生物多様性の宝庫です。
海洋資源は世界中のコミュニティー、繁栄、そして人類の健康を支えています。
人類は海洋に依存しているのです。
しかし海洋は、人を頼れるでしょうか。
私たちは海洋にとって、最良の友でなければなりません。
ところが現状では、人類は最悪の敵となっています。
人類に起因する気候変動によって地球の気温は上昇し、気象パターンや海流が乱れ、海洋生態系とそこに暮らす種に変化が起こっています。
海洋生物多様性は、魚の乱獲、過剰搾取、海洋酸性化によって攻撃を受けています。
漁業資源の3分の1超が、持続不可能なレベルで捕獲されています。
そして私たちは、沿岸水域を化学物質、プラスチック、人間の排泄物で汚染しています。
しかし今年の「世界海洋デー」は、潮目が変わりつつあることを思い起こさせます。
昨年、私たちは、2030年までに陸域、海洋・沿岸域の30%を保全・管理するという野心的なグローバル目標と、漁業補助金に関する画期的な協定を採択しました。
リスボンで開催された国連海洋会議では、世界がより積極的な海洋行動を推進することに合意しました。
プラスチック汚染を終わらせるための、法的拘束力のある国際協定の交渉も進められています。
さらに3月には、国家管轄権を超えた区域における海洋生物多様性の保全と持続可能な利用に関する歴史的な公海条約に各国が合意しました。
こうした取り組みの重要な誓約を実現するには、集団的なコミットメントが必要です。
持続可能な開発目標(SDGs)の目標14「海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」の達成がかかっているのです。
今年の「世界海洋デー」にあたり、行動を推進し続けようではありませんか。
今日も、そしていつの日も、海洋を第一に考えようではありませんか。
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原文(English)はこちらをご覧ください。