世界難民の日(6月20日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 23-035-J 2023年06月20日
国連難民高等弁務官を務めた10年間に、私は人生の様々な立場に置かれた難民たちのレジリエンス(強靭性)と貢献を目の当たりにしました。
逆境を前にした彼らの忍耐力は、私に日々刺激を与えてくれました。
難民たちは、人間の精神力の最たるものを示しています。
彼らが必要とし、そして与えられるべきは支援と連帯であり、国境の封鎖と送還ではありません。
「世界難民の日」を迎えるにあたり、私たちは驚くべき統計に直面しています。
紛争、迫害、飢餓、そして気候カオス(無秩序状態)に震撼する国々に暮らす1億以上の人々が、故郷からの避難を強いられてきました。
これらの統計は、紙に書かれた単なる数字ではありません。
暴力や搾取、差別、そして虐待にしばしば直面しながらも、困難な旅を続けている個々の女性、子ども、男性たちなのです。
「世界難民の日」は、難民を保護し支援するという私たちの責務を、そしてより多くの支援の道を切り開く私たちの義務を思い起こさせる日です。
これには、難民の再定住化と、尊厳を持った暮らしの再構築の支援に向けた解決策が含まれます。
「難民に関するグローバル・コンパクト」で求められているように、受け入れ国が質の高い教育、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)、医療、住居、そして社会的保護に対するアクセスを強化するための、さらに大きな国際的支援が必要です。
そして、難民が安全に故郷に帰るための平和を構築するという、より強い政治的意思が必要です。
今年のテーマは、「ふるさとを離れた先の希望(Hope Away from Home)」です。
私は世界に対して、難民たちが心に宿す希望の力を生かすように呼びかけます。
あらゆる段階で、彼らの勇気と彼らが必要とする機会とをつり合うものにしていこうではありませんか。
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