世界人道デー(8月19日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 23-045-J 2023年08月18日
今年の「世界人道デー」は、バグダッドのカナル・ホテルが凄惨な攻撃を受けてから、ちょうど20年目にあたります。
あの暗黒の日、私たちはセルジオ・ヴィエイラ・デメロ国連事務総長特別代表をはじめとする、22人もの同僚を失いました。
この悲劇は、人道支援従事者の活動のあり方において転機となりました。
今日、人道支援従事者たちは世界中で尊敬を集めている一方で、危害を加えようとする者たちの標的になることもあるのです。
今年、世界における人道支援活動の目標は、69カ国で2億5,000万人に命を救う支援を届けることです。これは、カナル・ホテルが爆破された当時の10倍に相当します。
悲しいことに、資金はまったく足りていません。危機が激増している中で、人道支援従事者たちが助けを必要としている何百万もの人々への支援を削減せざるを得ない現状は、受け入れがたい事態です。
この20年間で、その他の課題も山積しています。
地政学的緊張の高まり。
国際人道法や国際人権法に対するあからさまな無視。
意図的な攻撃と偽情報キャンペーン。
今や人道主義そのものが攻撃を受けているのです。
しかし、こうした試練を通じて、世界の人道支援コミュニティーは、より強固なものとなっています。
人道支援要員の多くは自国で活動を行う現地スタッフですが、奉仕対象の人々との距離を縮めています。
彼らは、「人命を救い、守る」というただ一つの目的に突き動かされながら、危険を顧みず被災地のより奥深く、紛争のより最前線に向かう、新たな方法を探し続けています。
今年の「世界人道デー」にあたり、私たちは、あらゆる場所の人道支援従事者たちの勇気と献身に敬意を表します。
世界各地で行われている彼らの断固たる命を救う活動を、全面的に支持することを再確認します。
そして、それが誰であれ、どこであれ、何であっても、助けを必要としているすべての人々に奉仕する、彼らの揺るぎない献身を称えます。
ありがとうございました。
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