人権デー(12月10日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 23-069-J 2023年12月07日
「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」
世界人権宣言第一条冒頭のこの象徴的な一文は、採択された75年前と同様に、今日においても重要です。
世界人権宣言はロードマップであり、戦争に終止符を打ち、分断を癒やし、すべての人々の平和と尊厳のある生活を促進します。
しかし世界は、道に迷いつつあります。紛争が激化し、貧困と飢餓が増大し、不平等が深刻化しています。気候危機は、最も脆弱な立場に置かれた人々に最も大きな打撃を与える、人権の危機です。
権威主義が台頭しています。
市民社会スペースは狭められ、メディアはあらゆる方面から攻撃されています。
ジェンダー平等はいまだ遠い夢で、女性の生殖に関する権利は後退しつつあります。
今日、すべての人権を推進し、尊重することが、これまで以上に重要になっています。私たち全員を守る、社会的、文化的、経済的、市民的、政治的権利すべてについてです。
世界人権宣言は、緊張の解消や、世界が切望する安全と安定の創出に資する、共通の価値観とアプローチに対する道筋を示しています。
私たちがグローバルな枠組みを21世紀においてより効果的にすべく更新する中で、人権は、比類のない中心的な役割を果たさなければなりません。
私は加盟国に、今年の宣言採択75周年と来年の「未来サミット」を機に、世界人権宣言が有する時代を超えた価値観に対してコミットメントを強化するよう呼びかけます。
そして「人権デー」にあたり、私は世界中の人々に、日々、あらゆる場所のあらゆる人々のために、人権を推進し、尊重するよう要請します。
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