国際マザーアース・デー(4月22日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 24-020-J 2024年04月22日
人類は、母なる地球に対して乱暴な子どものように振る舞っています。
私たちは、口にする食料、呼吸する空気、飲む水を自然に依存しています。にもかかわらず、私たちは自然界にカオス(大混乱)をもたらしました。公害で地球を汚染し、種や生態系を顧みることなく絶滅に追いやり、温室効果ガスの排出によって気候を不安定にしたのです。
こうした行動は、自然を傷つけるだけでなく、人類にも危害を及ぼしています。私たちは食料生産を脅かし、海洋や大気を汚染し、より危険で不安定な環境を作り出し、持続可能な開発を妨げているのです。
私たちは共に、自然との調和を取り戻し、持続可能な生産と消費を採り入れ、自らを危険から守らなければなりません。雇用を創出し、貧困を削減し、持続可能な開発を推進していくのです。
それは、生物多様性の喪失に強くブレーキをかけ、汚染に終止符を打ち、温室効果ガスの排出量を世界全体で削減することを意味します。また、汚染や気候と生物多様性の危機によって最も大きな打撃を受けている先住民、地域コミュニティー、その他の人々を支援することを意味します。そして、気候カオスの最前線にある国々に気候正義をもたらすとともに、気候行動に取り組み、自然を保護し、持続可能な開発を推進する上で各国が必要とする資金と支援を迅速に動員することを意味します。
各国は、世界の気温上昇を1.5℃に抑える目標に沿った新たな国別気候計画を策定しなければなりません。これらの計画は、国別移行計画や国別投資計画も兼ねることで、今後の数世代にわたって持続可能な開発を下支えすることができます。そしてG20は、資金を拠出し、迅速かつ公平に、世界的な化石燃料の段階的廃止を主導するとともに、地球を窒息させるプラスチックの急激な生産増加を支えている補助金など、自然を破壊するような補助金を撤廃しなければなりません。
母なる地球との関係を修復することが、人類が直面しているすべての課題の根源にあります。私たち全員にとってより良い未来を創造するために、私たちは行動を起こさねばならないのです。それも今すぐに。
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