世界環境デー(6月5日)に寄せる アントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 24-031-J 2024年06月04日
今年の「世界環境デー」のテーマは、「土地の回復、砂漠化、干ばつに対するレジリエンス(強靭性)」です。
人類は、土地に依存しています。しかしながら、世界各地で、汚染、気候カオス(大混乱)、生物多様性の破壊といった「有毒なカクテル」が、健全な土地を砂漠へ、繁栄している生態系をデッドゾーンへと変貌させつつあります。森林と草原を消滅させ、生態系、農業、そしてコミュニティーを支える土地の力を弱らせているのです。
これは、作物が不作となり、水源が消滅し、経済が弱体化し、コミュニティーが危機にさらされ、最も貧しい人々が最も大きな打撃を受けることを意味します。持続可能な開発も損なわれています。そして私たちは、致命的な悪循環に陥っています。地球温暖化につながる二酸化炭素排出量の11%は、土地利用によるものだからです。今こそこの悪循環から脱却する時です。
各国は、劣化した生態系と土地を回復させるすべての約束と、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」全体を守らねばなりません。また、新しい自国の気候行動計画を活用し、2030年までに森林破壊を食い止めて回復させる方法を提示しなければなりません。そして私たちは、開発途上国が激しい気象に適応し、自然を保護し、持続可能な開発を支援するための資金を、劇的に増額しなければなりません。
行動しないことの代償は、あまりに高くつきます。一方で、迅速かつ効果的な行動は、経済的にも理にかなっています。生態系の回復に1ドル投資する毎に、最大30ドル分の経済的利益が生まれるのです。
私たちは「再生の世代」なのです。共に、土地にとって、そして人類にとって持続可能な未来を築こうではありませんか。
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