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ヘイトスピーチと闘う国際デー(6月18日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ

プレスリリース 24-037-J 2024年06月18日

PHOTO: UN

ヘイトスピーチは、差別、虐待、暴力、紛争、さらには人道に対する罪の、一つの目印です。ナチス・ドイツからルワンダ、ボスニア、そしてそれ以外でも、私たちはヘイトスピーチが使われるのを見てきました。ヘイトスピーチに、許容できる水準など存在しません。ヘイトスピーチを完全に根絶するために、私たちの誰もが努力しなければなりません。

今日のヘイトスピーチは、幅広い集団を標的とし、往々にして人種、民族、宗教、信条、所属政党に基づいています。ここ数カ月では、反ユダヤ主義とイスラム嫌悪の両方のヘイトスピーチが、インターネット上や、影響力のある指導者たちによる公の発言の中で急増しています。ヘイトスピーチは、女性、難民、移民、多様なジェンダーの人々やトランスジェンダーの人々、そして少数者に対して用いられることもあります。国境や文化を越えた拡散を可能にするデジタル・プラットフォームやツールの力により、ヘイトスピーチは大幅に増幅されています。

各国は、憎悪の扇動を防止し、それに対抗し、多様性、相互理解、連帯を推進する国際法上の義務を負っています。各国は、これらの約束を強化・履行するとともに、それらの措置が表現の自由を擁護し、少数者などのコミュニティーを保護するようにしなければなりません。

「ヘイトスピーチに関する国連戦略・行動計画」は、こうした惨害の原因と影響の両方に対処する枠組みを提供しています。また、国連は現在、意思決定者にこうした課題をめぐり指針を提供する「情報の誠実性のためのグローバル原則」を策定中です。

若者たちは、特にインターネット上において、最もヘイトスピーチの影響を受けることが多いため、若者自身が解決策の一翼を担う必要があります。若者、特に女児と若い女性、先住民の若者、少数者コミュニティーの若者、LGBTIQの若者、障害のある若者たちが参加することが、ヘイトスピーチのない公共空間やオンライン空間を作る上で、極めて重要です。

各国政府、地方自治体、宗教、企業、コミュニティーの指導者たちは、寛容、多様性、そして包摂性を推進する措置に向けて投資するとともに、あらゆる形態のヘイトスピーチに対抗する義務を負っています。

「ヘイトスピーチと闘う国際デー」にあたり、私たち皆で、人権教育を推進し、若者たちに民主的な意思決定に関わってもらい、どこで生じていようとも、不寛容、差別、偏見、そしてステレオタイプに対抗していこうではありませんか。

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原文(English)はこちらをご覧ください。