世界人道デー(8月19日)に寄せる アントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 24-055-J 2024年08月19日
人道支援従事者たちは、苦しむ人々がいればどこであろうとも、困難や苦痛を和らげるために命懸けで努力します。
昨年、国連が調整した人道支援活動によって、1億4,000万人以上の人々に命を救う支援が提供されました。
人道支援従事者たちは、大半が自身のコミュニティーに奉仕する現地スタッフで、残忍な暴力にも耐えて任務を遂行してきました。
深刻な資金難にあっても、助けを必要とする人々への支援を妨げるあらゆる障害を克服しようと努力し続けてきました。
「世界人道デー」にあたり、人道支援従事者たちの勇気と決意、人類への奉仕に、改めて敬意を表します。
私たちはまた、称賛だけでは不十分であることを認識しています。
2023年は、人道支援に携わる人々に過去最多の殉職者が出た年でした。
ガザ地区、スーダンなど多くの場所で、人道支援従事者たちが、支援対象の民間人とともに攻撃され、殺害され、傷を負わされ、拉致されています。
偽情報キャンペーンによって、命に関わる嘘が拡散しています。
戦時において民間人を守る法である国際人道法は、無視され、踏みにじられています。
不処罰の状況は、加害者が裁きを恐れていないことを意味します。
人間性、責任、リーダーシップの欠乏です。
「世界人道デー」にあたり、私たちは、人道支援従事者とすべての民間人に対する攻撃を止めることを求めます。
各国政府に対し、民間人を守るために、すべての紛争当事者に圧力をかけることを求めます。
国際法に反する軍隊や集団への、武器の移転を止めることを求めます。
加害者が裁きを受けるよう、不処罰に終止符を打つことを求めます。
人道支援従事者たちを称えるだけでは、足りません。
共通の人間性を守り、擁護していくために、私たち全員がさらに行動しなければならないのです。
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