国際民主主義デー(9月15日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
2024年09月13日
国際民主主義デーは、言論の自由、市民の自由、法の支配を堅持し、説明責任のある制度を確保し、人権を擁護・促進することの重要性をより強固なものにする機会です。
これは、世界人口の半数を占める50カ国超で選挙が行われる今年、とりわけ重要な意味を持ちます。
しかし、そうした権利や価値は、世界中で攻撃を受けています。自由が浸食され、市民社会スペースが狭められ、分極化が激化しています。そして、不信が広がっています。
今年の国際民主主義デーは、良い統治のためのツールとしての人工知能(AI)に焦点を当てています。
放置されれば、AIがもたらす危険は、民主主義、平和、安定に深刻な影響を与える恐れがあります。それは、誤情報や偽情報の拡散、ヘイトスピーチの蔓延、そしていわゆるディープフェイクの利用から始まる可能性があります。
それでも、AIには、完全かつ積極的な市民参加、平等、安全、人間開発を促進・強化する可能性があります。民主的プロセスに関する教育を後押しするとともに、人々が意思決定において発言し、政策決定者に責任を問えるような、より包摂的な市民社会スペースを形成することができるのです。
こうした機会を捉えるためには、国際レベルを含むあらゆるレベルにおいて、AIに対する効果的なガバナンスを確保することが極めて重要です。
包摂的で地理的にも多様な、(国連事務総長の)「AIに関するハイレベル諮問機関」は、AIのリスクを軽減しながらその利点を活用する方法についての提言をまとめた報告書を発表しました。
メッセージは明確です。AIは、公正かつ安全に、人類に資するものでなければなりません。
今月開催される「未来サミット」は、国際協力を強化し、信頼を構築し、現在と将来の世代を守るための、極めて重要な機会を提供します。
今年の国際民主主義デーにあたり、より包摂的で公正、かつ平等な世界を築くために取り組みを続けようではありませんか。
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