ノーベル平和賞に関するアントニオ・グテーレス国連事務総長声明( 2024年10月11日)
2024年10月16日
2024年のノーベル平和賞が、草の根の活動を続ける「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」に授与されたことに対し、心よりお祝い申し上げます。
「被爆者(hibakusha)」という言葉でも知られている、広島と長崎の原爆投下からの生存者の方々は、核兵器がもたらす恐ろしい人的損失に対し、私心なき本心を語る証人たちです。
年々その数が減少していく中で、被爆者の方々のたゆまぬ努力と強靭さは、世界的な核軍縮運動の支柱となっています。
私は、長年にわたり幾度も行ってきた被爆者の方々との対話を、決して忘れることはないでしょう。その脳裏を離れない生きた証言は、核の脅威が歴史の教科書上だけの話ではないことを世界に思い起こさせます。核兵器は人類にとって、今まさにそこにある明白な脅威であり、現実の国際関係において、日常的なレトリックとして再び姿を現しています。
今こそ世界の指導者たちが、被爆者の方々と同じ曇りのない目で、核兵器の本質を見つめる時です。いかなる安全も保護も安全保障ももたらさない死の装置の本質を。核兵器の脅威をなくす唯一の道は、核兵器の完全な廃絶です。
国連は誇りを持って被爆者の方々と共にあります。彼らは核兵器のない世界を築く私たちの共通の努力にインスピレーションを与えてくれる存在です。
2024年(令和6年)10月11日
国連事務総長 アントニオ・グテーレス
ラオス人民民主共和国、ビエンチャンにて
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