教育の国際デー(1月24日)に寄せる アントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 25-003-J 2025年01月23日
教育は基本的人権であり、あらゆる人々が自らの潜在能力を最大限に発揮し、社会と経済が成長し繁栄するための、不可欠な構成要素です。
人工知能(AI)など今日の技術の飛躍的な進歩は、あらゆる年代の学生たちをその学びの過程を通じて支援する大きな可能性を秘めています。
しかし、その素晴らしい恩恵に匹敵して、恐ろしいリスクが伴います。AI主導のシステムがより力を増すにつれて、機械の主導による影響が人間の意図から容易に外れてしまうおそれが出てきています。
今年の「教育の国際デー」を迎えるにあたり、AIの可能性を開くには、人間の主体性、そして人権を、この急速に進化する技術の中心に据え続けることにかかっているということを、私たちは再認識します。
情報や最先端のカリキュラム、その他の学習ツールへのアクセスを通じて、学生と教師がAIによる支援を確実に受けられるようにしなければなりません。
また私たちは、この技術を賢明に、安全に、かつ倫理的に利用する上で必要なツールや知識を、すべてのユーザーが持てるよう取り組まなければなりません。これには、学習者や教師たちがAIを学びに取り入れることを支援する国連教育科学文化機関(UNESCO)のコンピテンシー・フレームワークも含まれます。
最近採択された「グローバル・デジタル・コンパクト」には、人類がAIに管理されるのではなく、人類がAIの開発とガバナンスを管理することを確実に推進するための、さらなる重要な措置が記されています。
学びにとって不可欠な“人間”という要素を、AIが完全に置き換わることがあってはなりません。
この重要な日にあたり、あらゆる場所において、教育システムの中心に人間を据え続けることを誓おうではありませんか。
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